歯科医院長mabo400のブログ

I歯科医院の高楊枝通信。

今日の何やっているの?シリーズ253

2017/03/20
 
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6歳女子、右上D、Per+GA、自発痛±

この子はとても頭のよい子で、
しっかりとした受け答えができ、
治療にも協力的で、
治療中の画像もちゃんと撮れるし、
少し驚きました。

ご両親にお話をうかがうと、
もっと驚くことがたくさんあって、
この歯に関しては、うちで4軒目の歯医者だそうですが、

1軒目に痛くなって(感染して化膿性歯随炎か?)治療してもらったところ、
神経の処置をせず、CR充填をされて、当然痛くなって腫れて、
再来院すると、
うちは小児歯科ではないので、他所に行ってくれ、と言われた。 ヒィィィィィ(゚ロ゚;ノ)ノ

一番怖かったのは、女性の小児歯科医のいるところに行ったら、
ラバーダムをして助手が上に乗って押さえ込むところだったそうです。
こんないい子にそんなことをする?? ヒィィィィィ(゚ロ゚;ノ)ノ

ラバーダムというのは、歯髄が感染しないように歯だけゴムシートに開けた穴から出して、
ゴムシートが外れないように、金属製のクランプで挟むのですが、
ふつうに歯茎に食い込んで痛いです。
歯が割れることもあります。
CR充填するときもやって、軟象を残すという本末転倒な話もあります。
ラバーダムを使うと歯肉縁下のCRとか超絶系のCR充填はできませんので、
うちではやっていません。

ラバーダムは西洋人的な発想で、器用な日本人の歯科医師には必要ないでしょう。
感染させる前に処置を終わらせることができるからです。
そもそもうちでは神経を取ることもないと思いますが。

・・too much trouble

という英語があるのを思い出しましたが、
日本語では「めんどくさい」と訳します。
ラバーダムは面倒なだけで、
そもそも残根過ぎてラバーダムができない歯も多いのですが、
西洋的な発想ではそうではないんですね。
トラブルを避ける為に面倒な手順を踏むという発想です。
アメリカ人のおじさんに、
家を作っているとき、
ドア下のブロックの水平を取る作業を手伝ってもらったときに実感しました。
日本人の僕は、そんな「めんどくさい」ことをせずにさっさとやってしまおう!というと、
ま、勝手にやって。。私にはできない┐(´ー`)┌。。という反応ですw
詳しく聞いてみるとそんなことは要らんだろう、と思えるいろいろ面倒な手順があるのです。

・・・うちに来たときはこんな感じで腫れていました。
3日分の抗生剤の投与を受けていて、今日で飲み終わるところとか。

IMG_7352.JPG

歯を見ると、近心にCRが残っていて、綿球が詰めてあり、
綿球を取ると口蓋根から出血していました(要するに歯髄炎だが生きている状態)。
頬側2根の歯髄は完全に失われていて、
腫れているところを押すと、
根管から膿が出て来ました。

IMG_7355.JPG

根管治療は、止血して、根管内部を超音波洗浄をしただけです。
口蓋根の神経は取っていません。
エアーで乾燥させただけ。

CRを除去すると軟化象牙質(虫歯)が残っています。

IMG_7358.JPG

軟化象牙質は接着しないので、辺縁漏洩の原因になります。
丁寧に除去しました。

これがα-TCPセメントを使うときの注意点です。
辺縁漏洩があると失敗します。
メタルインレーはまずだめでしょう。

IMG_7360.JPG

止血を確認して、抗菌剤添加α-TCPセメントで直覆というか根充というかをして、

IMG_7361.JPG

CR充填しました。
抗生剤連続投与なので日和見感染とか心配はありましたが、
腫れが酷いのでケフラール・ドライシロップ3日分出しました。

IMG_7365.JPG

感染菌がMRSA(多剤耐性菌)とかでなければ、
また薬剤に対するアレルギーがなければ、

歯髄炎でも、炎症が歯根膜に波及していても、
ほとんどのケースで治ります。
歯髄炎は神経を取らねば、、という発想はもう古いのではないでしょうか?
もうそろそろ教科書を書き換えた方が良い時期にきていると思います。

処置所要時間15分。

4日後、腫れは退いています。

IMG_7579.JPG

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