今日の充填治療281.02

      2017/03/20

40代男性、左下5、温冷痛+、根尖相当部圧痛+

前回のつづきで、
だんだん症状がひどくなることと、
就眠時の噛み締めの自覚があることから、

咬合性の外傷と判断し、補強冠を入れることにしました。

2015/11/28

クラックもはっきり見えます。

151128.JPG

10ヶ月前の画像でははっきりしませんが、
よく見るとあるかもしれない、と言う程度です。

補強冠の形成をすると、
クラックに添って虫歯が現れました。
典型的な外傷性の虫歯です。

_MG_8345.JPG

追求するとかなり広がっています。
金属腐食の分野では『すき間腐食』という名前が付いています。

虫歯というのは細菌感染症ではなく、
ハイドロキシアパタイトの電気化学的腐食なのです。

_MG_8349.JPG

軟化象牙質を取り除き、
α-TCPセメントで覆とうし、

_MG_8350.JPG

CR充填しました。

で、今日補強冠と

_MG_8512.JPG

ナイトガードを装着しました。

_MG_8507.JPG

温痛は冷痛よりも歯科医学的には歯髄の炎症がより進んでいるということになっています。
しかも温痛は不可逆性の歯髄炎と言って、治らないので抜髄の対象になるともされています。

温痛がクラックを通して歯髄に電解質が侵入することによる電気化学的な刺激によるものか、
それとも噛み締めにより、根尖から歯髄に入る動脈が損傷し、
血栓などが抹消である歯髄の毛細血管に詰まる為に起こる「歯髄梗塞(造語)」によるものかは判りません。

どちらにしろ、症状が改善するかどうか経過観察していきます。

うちでは温痛が出ていても治る症例を数多く経験していますので、
いきなり抜髄ということはありません。

 - 今日の充填治療シリーズ, 削らない・抜かない歯科治療