今日も野戦病院シリーズ16.01

17歳女子高生、左下7、残根、自発痛ー
前回のつづきで、
内部は全部軟化象牙質(虫歯)でところどころ髄床底に穴が開いている症例。
根尖には炎症があるし、
どこから見ても、抜歯しかないと思うでしょうが、
じつはそうでも無いのです。
で、今日の画像、
前回は息肉を除去し、
α-TCOセメントの上に水硬性セメントを乗せて創面が落ち着くのを1週間待ちましたが、
早くも息肉が盛り上がってきていました。
再度麻酔して電気メスで除去して、
辺縁部分だけでも健全歯質を出すべく努力しました。
健全齒質でないとボンディング材が効かないので、
辺縁漏洩が起こり失敗するからです。
残根は口腔内で一番自然電位が低いので陰極になり溶けます。
残根の処置というのは、
要するに電極にならないように、
電気的絶縁物で覆えばいいのです。
水硬性セメントは除去しましたが、α-TCPセメントが足りない部分もあったので、
前回のα-TCPセメントも一旦除去しようと思いましたが、
髄床底の穴から出血するだけでしたので、
諦めましたw
α-TCPセメントで覆えば軟化象牙質(虫歯)も時間は掛かりますが、再結晶して硬くなります。
辺縁漏洩さえなければです。
今のところCR充填以外では失敗します。
止血して、α-TCPセメントで根充というか覆とうというかして、
CRでコアを作り印象(型取り)しました。