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歯周病解説 その4。

2017/02/26
 
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4)免疫系のスイッチが入りました。
最初の廃棄物(ウロコ)を拾ったTリンパ球のいるところを目指して
免疫細胞が大結集を始めます。
まず集まってくるのは大きくてアメーバ状の細胞です。
リンパ球がつぶれて、浜に打ち上げられたクラゲのような形になっていると想像してください。
不定形で、平べったくて、黒っぽい透明の細胞で、
中に直径2~3mもあろうかと思われる核があります。
表面の膜は軟らかく柔軟性があり、細胞内の内容物がゆっくり回転流動し、
全体がキャタピラーのように移動しています。
異物を取り囲み、中の顆粒状に見える各種の分解酵素・酸で異物を破壊します。
これはマクロファージと呼ばれる掃除屋です。
このマクロファージがまた数匹合体するのです。
小山のように大きい合体マクロファージの破壊力は凄まじく、
見る間にヒトの歯槽骨を攻撃し、破壊してゆきます。
しかし、癌細胞と同じく、元は自分自身の細胞ですので、
歯槽骨の破壊には自覚症状を伴いません。
歯が抜ける寸前になるまで、気が付かないことが多いのです。

生物学的に歯周病とは、
歯周病菌に感染した歯を含めた自分の組織があまりに汚く、
このままでは全身に悪い影響を与える異物であるとみなして、
自分の免疫細胞が自分自身の汚染された組織を除去・排出する機転、と解釈できます。

ウロコはLPS(リポ・ポリ・サッカライド)と呼ばれていますが、
このLPSを分解・除去する成分が含まれた歯磨剤がGUM(サンスター)より発売されています。
実際に使用してみて、その効果は実感できるものです。
しかし、これだけではとてもとても不十分なのです。
何故なら、4mm以上の歯周ポケットの底には歯ブラシも届かないし、
歯周病菌は粘液状の物質に守られて、
しかも集まってバイオフィルムを形成しているので、
歯磨き粉に含まれる薬剤も十分には届かないのです。

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