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I歯科医院の高楊枝通信。

今日の充填治療171

2017/02/26
 
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20代女性、左下6、インレー不適合

見た目は問題なさそうでしたが、

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エキスカベータで引っ掛けると外れました。

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セメントは崩壊していて、齒質とメタルは接着していません。
メタルや齒質はところどころ硫酸塩代謝細菌の産生物と思われる硫化物で黒くなっています。
でも2次カリエスにはなっていません。

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歯の主成分ハイドロキシアパタイト(HA)はH+(水素イオン、プロトン、酸そのもの)を伝導するということが知られていますし、
酸性溶液中で他の金属との間でイオン化傾向を測ることができ、
亜鉛以外の金属よりイオン化傾向が高いことが分っています。

もちろん歯科用金属よりもイオン化傾向は高く、
電気的に導通させるとガルバニック電流が流れ、
金属よりHA(齒質)の方が溶出します。

このケースの場合のようにセメントが崩壊してメタルインレーはダツリしているにもかかわらず2次カリエスになっていない症例は数多く見かけます。
その理由ですが、
すき間が十分に小さいので酸素濃度が低く、先程の嫌気性菌や通性嫌気性菌にとって住みやすい環境で、
好気性の酸産生菌が優勢になっていないので、
すき間内部は酸性ではない(HAの伝導物のH+が少ない)のと、
硫化物により齒質とメタルは電気的に絶縁されているからです。

腐食電池が形成されていないと言います。

もう少しすき間が大きくなると好気性の酸産生菌が優勢になり、酸性度は増し、
HAの伝導物質のH+が増えるので、HAの腐食(異種金属接触腐食)が進みます。

・・硫化物や残っている合着セメントを除去し、

_MG_0394.JPG

軟化象牙質が残っている部分はα-TCPセメントで覆とうし、

_MG_0395.JPG

CR充填した。

所要時間12分

_MG_0398.JPG

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