歯科医院長mabo400のブログ

I歯科医院の高楊枝通信。

今日の抜歯再植術シリーズ27.6

2017/03/20
 
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この時の続きで、
この穿孔による口蓋根の歯根膿瘍で抜歯再植した左上7の早期接触が気になる。

噛み合せが気になる方はひょんなことから気になり始めて、
いつも早期接触(最初に当たるところ)を探すことをなかなか止めることができず、
さらに悪い状況になるという悪循環に陥る。

この症例では詳細は不明ながら、
元々TCH(歯列接触癖)があったところに、
5年前に左上の6の治療をしたときから始まったらしい。

そのときに強く噛み締めた状況が続いたようで、
顎関節症を併発して、
現在も顎関節がガタガタで関節円盤が関節頭に付いていけない、
関節が非常にルーズな状態になっている。

噛むと、通常の方より顎関節の沈み込みが大きいので、
一番後ろの歯(7の遠心咬頭)が支点になるように早期接触する。

IMG_2284.JPG

その部分を拡大すると、
7が斜め前方に押されるような咬合力がかかることになり、
さらに6を介して54を押し、
54が挺出(伸びる)する。

IMG_2286.JPG

早期接触の違和感を改善するには、
7の遠心咬頭を顎関節の沈み込みに合わせて強めのスピーの湾曲を付ける様に削合する(斜線部分)と良いと思われるが、
顎関節症は治らない方向だし、7だけではなく6にも外傷力が働くことになり長期的には咬合が崩壊する懸念がある。

一番良いのは噛み合わせを気にしない(鈍感になる)ことだが、
それが簡単にできるくらいなら苦労はしないと思われる。

IMG_2283.JPG

またこの方は歯の型も気にされていて、
この7番の咬合接触様式にも強い関心を持たれている。

再植した口蓋根(←)への咬合力を頬側根に分散するために、
接触点を中心溝(実際は無いが)より頬側寄りに設定し、
外傷力が最小になる1点接触(実際には近遠心方向への線状接触だが)になるように調整している。
気にしておられる頬側に張り出している斜線部分は、
咬合バランスを取るためだが、
この以前とは違う形が噛み合わせが気になる原因ではないかとも思われている。
しかし関係はない。
むしろこちらの方が正常な形だ。

IMG_2281.JPG

元々の歯の位置が正常(とされる)咬合ではないのでこのように思われるのかもしれないが、
以前入っていた冠の形状や反対側の咬合様式から判断すると、
以下の図の実線のようなcusp to cuspという安定性に欠ける危うい咬合様式となっていたようで、
正常咬合様式は破線の図だ。

なぜこの様な咬合様式になったのかは想像の域を出ないが、
7の萌出時期の12歳前後にはすでに咬筋(ほっぺた)の過緊張(TCH)があり、
歯列が内側に押されていたのかもしれない(←)。

そう考えるとこの一連の症状の根は深く、
子供の頃に遡って考察する必要があるのかもしれない。
今更どうにもならないと思うが。

IMG_2282.JPG

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Comment

  1. さくら より:

    噛み合わせが歯科的には問題あっても、本人が気にしなければ歯に大きな問題は起こらないと言う事ですか??

    食べる時、あまり硬い物を噛まないとか強く噛み込まないなどをつければ良いんでしょうか?

    • mabo400 より:

      そうです。その歯科的に問題という概念すらイマジナリーなものです。人により様々ですので、どこか強く当たりすぎるとかのバランスが極端に悪くなければ、噛み合わせの問題は存在しないはずです。
      なぜなら、通常は安静空隙と言って、食べる時以外は上下の歯は離れているのが正常ですから。
      最近は上下の歯が常に接触していたり、無意識の内に噛み締めたり、擦り合わせたりする方が増えていることが問題となっています。そういう方は噛み合わせが気になりやすいのです。
      その場合は噛み合わせが問題と考えるのではなく、なぜそんなことをするのか?と考えていかないと、最終的には歯が壊れてしまいます。

  2. さくら より:

    最後の文がおかしくなりました。

    正)食べる時、あまり硬い物を噛まないとか強く噛み込まないなどに気をつければ良いんでしょうか?

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