歯科医院長mabo400のブログ

I歯科医院の高楊枝通信。

今日の2次カリエスシリーズ36(上級編) (2)

2017/02/26
 
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20代女性、左上7、自発痛+

痛みが出ていたら神経を取らないとだめ、というのは誤りです。
理由はメタルインレーなどセメント合着系の修復物は辺縁封鎖性が悪く、
漏洩するとすぐに症状が出るので、それを勘違いしているのです。
辺縁封鎖が破れなければ、症状は出ません。
アマルガムも同じです。

ダイレクトボンディングによるCRの辺縁封鎖性は今のところ一番ですが、
もちろん封鎖が破れると症状が出ます。
それでもしばらくはα-TCPセメントがカソード防食性を持っているので、
持ちこたえます。
α-TCPセメントで覆とうする意味の1つです。

IMG_0357.JPG

レントゲンでは内部がカリエスのように見えますので、

1602291002.jpg

メタルインレーを除去しようとエキスカで引っ掛けると、
かんたんに飛んでいきました。
内面は硫化物代謝細菌によるFeSで真っ黒になっています。

IMG_0358.JPG

合着セメントが形だけ残っていますが、

IMG_0359.JPG

その下はどろどろ、、

IMG_0361.JPG

軟化象牙質を全部取ると露髄しますので、
マージン付近に知覚が出て来る程度まで新鮮歯質を確保できればそれで十分。

軟化象牙質を全部除去できないと虫歯が再発するというのは、
インレー、クラウン、アマルガムは辺縁封鎖性が悪いからなのですが、
この辺りの解析は歯科医学では進んでいませんので、
一般の歯医者は知りません。

ちなみにここで言う漏洩とは電気化学的な電子やイオンの伝導があるということであり、
細菌の侵入のことではありません。
従来の歯科医学ではこの視点に欠けています。

IMG_0362.JPG

α-TCPセメントで覆とうします。
このセメントは歯質と同じ成分でしかも自然電位が高いので、
歯質の代わりに溶けてくれるのです。

電気化学的にはカソード防食と呼びます。

IMG_0364.JPG

どうするのか判らない歯医者さんのために途中の画像提供。
見ても判らないと思いますが、できるということは判ると思います。

IMG_0365.JPG

CR充填後

IMG_0366.JPG

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