今日の充填治療191(初級編)

      2017/02/26

30代女性、右下6、温冷痛+、食後に痛む。

このところ疲れ気味で込み入った記事を書く元気がないので、
簡単なのを1つ。。

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・・外傷性咬合がある方なので、単なる外傷性の知覚過敏症だったらよいけれど、
クラックでも入っているのではないか?と思って、
既存のCRを除去してみました。

このCR充填はうちでしたものではありません。
CRを除去すると、教科書どおりの処置がされており、
グラスアイオノマー系セメントで裏装されていました。

20年程前までは「CR壊疽」と言って、CR充填すると気が付かない内に歯髄が壊死してしまうというトラブルが相次ぎましたが、
今はありません。
CRの主成分Bis-GMAの不純物として環境ホルモンとして有名なビスフェノールAの毒性によるものではないかと思っていますが、
詳細は不明です。
ただ、CRのビスフェノールA対策がされるようになって「CR壊疽」はぴたりと無くなりましたw

当時のCRのセメント裏装は「CR壊疽」対策としては欠かせないものでした。

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裏装セメントを除去するとかなり深い窩洞で軟化象牙質は完全に除去されていました。
これでよく露髄しなかったものだと感心するほどです。
虫歯は細菌感染症なので、軟化象牙質には細菌が侵入しており、
軟化象牙質は完全に除去しないと虫歯が再発するものと信じられていましたが(今も教科的にはそうです)、
これは誤りです。

虫歯は「電気化学的」な腐食なので、
イオン伝導の遮断がなされれば、それ以上進行しません。

クラックの有無も慎重に見てみましたが、
はっきりとは確認できませんでした。
しかし怪しい部分はあります。

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α-TCPセメントで覆とうし、

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CR充填した。凍みている頬側の歯茎部もCRで覆ってみた。

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今日、その後の経過を訊いてみたが、
かなり改善したとおっしゃっていました。

しかし、破折対策として補強冠の装着を考えています。

 - 削らない・抜かない歯科治療, 虫歯の電気化学説