今日の2次カリエスシリーズ40 (2)

      2017/02/26

20代女性、右下6、時々痛い。

メタルインレー下の2次カリエスで、
レントゲンではエナメル質(外側)と象牙質(内側)との境界が明瞭です。
歯医者は歯が酸で溶けたものが虫歯と単純に思っていますが、
それなら象牙質だけが溶けて、エナメル質が全く溶けないというのがおかしいと思わないのでしょうか?

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そもそも細菌が出すと言われるpH4程度の酸では歯は全く溶けません。
歯学部では実験しません。
たぶんやってみても溶けないので、
完全スルーなのでしょうw

虫歯の電気化学説では、
エナメル質と象牙質ではイオン化傾向が若干ですが、象牙質の方が高いので、
酸性溶液中では象牙質が腐食電極を、エナメル質が対電極を形成し、
象牙質だけが溶けると考えます。
じつに合理的ですっきりと理解できませんか?

見た目はインレーにちょっとだけ不適合が見える。

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簡単にダツリした。

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軟化象牙質を除去すると、エナメル質の遠心半が取れた。
クラックに添ってぽろっと外れました。

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α-TCPセメントで覆とうし、

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既製のストリップスをトリミングしたもので、隔壁を作り、

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CR充填

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ストリップは今はこんな形状です。

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みなさん、虫歯の治療に特殊なセメントや薬剤を使えば上手くいくと思われているかもしれませんが、

違います。

虫歯の進行を止めるには、腐食電池が成立しないように、イオン伝導を遮断すればよいのです。
つまり、辺縁漏洩がないように充填することです。
今のところボンディング材によるCR充填が一番安定しているというだけのことです。
インレーなどセメント合着系はだめです。

なぜなら抜き差しできるような形状なので、
中長期的にはかならず辺縁封鎖が破れます。

 - 削らない・抜かない歯科治療, 虫歯の電気化学説