今日の2次カリエスシリーズ41

   

20代女性、左下6、インレー下の2次カリエス。

このメタルインレーは外側性窩洞とも内側性窩洞ともつかない形状で、
比較的早期にダツリすることが予想できた。

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確かにエキスカベータで辺縁を持ち上げただけで外れた。
黒くなっている部分は硫化鉄FeSで嫌気性の硫酸塩還元細菌の代謝産物で、
要するにドブの底の色です。

つまり口腔内とドブは繋がっているということです。

もちろん同時に硫化水素も産生するので、
口臭の原因にもなる。

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硫化鉄はメタルインレー側にも付着しており、
黒くなっている部分がそうだ。
黒くなっていない部分はまだ合着セメントが効いている部分で、
この部分だけでインレーは歯質に維持されていた。

虫歯の電気化学説的にはFeSは電気の絶縁体で、
電気化学的腐食を妨げる。

要するに黒くなっていると虫歯が進行し難いと言える。

この場合歯質が腐食電極であり、メタルが対電極となり、
イオン化傾向の大きい歯質が選択的に腐食する(虫歯になる)。

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もう少し歯質の腐食が進みメタルと歯質の隙間が大きくなると、
好気性もしくは通性嫌気性の酸産生菌が優勢となり、
腐食は急速に進行を始める。

なぜなら酸性雰囲気中に存在するH+は歯質中を伝導する唯一の物質ということが判っており、
ハイドロキシアパタイト(HA)の構成要素のCaから電子を奪いH2となり、
同時にCaはCa+となって、HAから遊離し、
HAの結晶構造が崩壊する。
これが虫歯だ。

HAが酸に溶けたものが虫歯だといった単純なものではない。
単に酸性だけでは虫歯にならず、
歯質との間に起電力が生じるメカニズムが存在するときのみ虫歯が発生する。

接着が確実になるように虫歯部分を除去して、

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CR充填を終わった。

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 - 削らない・抜かない歯科治療