今日の充填治療293(中級編)

      2017/03/20

30代女性、右上4、5、右下5、遠心歯根面カリエス。
自覚症状なし

ドイツからわざわざ、こんなところまでうちの治療を受けに来られる方もいらっしゃるのですね。。
これで2人目。
ドイツに歯医者はいないのか?と思いますが、
いないのでしょうね。。

主訴は左上45の根管充填後と右上7(?)のCR充填の依頼だったのですが、
お送りいただいたレントゲン写真を見て、
右上45を先にした方がいいのでは?
虫歯が神経に近いです。
ということでこれらを先にしました。
左上45は明後日の予定です。

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このタイプのDEジャンクションの象牙質だけが溶ける歯根面カリエスは歯周病で歯槽骨が下がっていると出来やすいのです。
「虫歯の電気化学説」によれば、

DEジャンクションとはDentin(象牙質)とEnamel(エナメル質)というイオン化傾向の異なる物質(H+イオン電導性セラミックス)が
電気的に接合している場所で、
それが電解液中に露出しているからです。
要するに局部電池が形成される条件が整っており、
酸性環境ではイオン化傾向の大きいDentinが一方的に溶け出すのです。

また遠心(奥の方)に出来やすいのは、
1本の歯でも奥の方が酸素濃度が低く、酸素濃度勾配による局部電池(腐食電池)が形成されるからですが、

これらは歯科医学分野ではまだ知られていません。

歯医者は現象として知ってはいるのですが、
合理的な説明をすることができません。

では、なぜ歯周病が進行してしまったか?というのは、
初見では、まだよく判りません。

外傷性の咬合があるとか、
デンタルフロスを掛け過ぎたとか、
なんらかの外力による原因があるのではないかと感じました。
歯周病菌の出すLPSによるものだけとは言い難い状況に見えます。

歯肉縁下のDEジャンクションからDentin 内部に広がっているので、
目視でははっきりとは判りません。
歯肉縁下の虫歯は歯肉を傷つけないように気をつけることが重要です。
多くの歯科医師はこれをどうやってするのか判らないかもしれません。

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エナメル質を最小限取り除くと、内部に虫歯が広がっています。

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フィニシングラインだけは新鮮歯質を確保して、

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α-TCPセメントで覆とうして

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CR充填を終わった。

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ーーー

ついでに右下5のハイブリッドインレー下の2次カリエスもついでに充填処置をした。

右下7の隣接面カリエスは重曹うがいだけで管理可能と判断して、
今回は経過観察予定。

右下5、遠心歯根面カリエス。
これも目視ではよく判らない。

before

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on the way

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after

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