今日の2次カリエスシリーズ63

      2017/03/20

50代男性、右上6、インレー2次カリエス

こういうCR充填は通常の歯科医院では対応できない。
それには色々な要因があるのだが、
一番の要因は難しい割には儲からないからだ。

要するに「割に合わない」ということだ。

またそれ以前の問題なのだが、
歯医者はこんなことができると思っていない。
歯医者以外の読者には解らないと思うが、
こういうCR充填の技法は歯学部では習わないのだ。
こういう歯肉縁下の症例はインレーの再製作は無理で、
抜髄して冠を被せると習う。
というか、歯肉縁下の治療はインレーどころかCRさえも無理。
歯肉縁下に及ぶ虫歯は治療困難につき抜歯の対象となってもおかしくないというのが、
現代歯科医学の一般的な見解です。

ネット広告にしつこく出て来る某歯科クリニックの「ラバーダムは必須」とかいうキャッチがありますが、
そもそもこういう歯肉縁下のラバーダムができない歯はどうするんでしょうかね?
謎です。
やはり顕微鏡を使っても治療困難なんでしょうかね?
そこに出て来る症例は僕から見れば、そんなものの必要性は感じない、
一瞬で終わる簡単な、
うちでいうところの『初級編』の治療に見えますけれどね?
ここにアップしている症例のほとんどは物理的にラバーダムができない症例ばかりです。

僕の考えでは虫歯は感染症ではない。
電気化学的な歯の腐食なので虫歯の治療にラバーダムは不要です。
ラバーダムが掛かる残根ではない歯の神経を取るとかいう治療はそもそも必要ではない。
僕は15年前にラバーダムは卒業しました。

・・僕はインレーよりもCR充填の方が歯が長もちすると考えているので、
敢えて困難に挑戦していますが、
こういうCR充填は超絶技巧の診療テクニックを軽々こなせるレベルでないと難しいと思う。
うかつにやっても失敗するだろう。

・・自発痛はないが、食渣が溜まりやすいということだった。

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インレーのセメントの接着性は失われていて、簡単にダツリした。
インレー内面は黒くなっている。
FeSなどの硫化物還元細菌由来の金属硫化物なのだが、
歯医者は知らない。
これも学校では習わないのだ。

一体学校で何を習っているのか?と思われるかもしれないが、
それは学部卒業後に自分で勉強しなければどうにもならないのだ。

しかし、卒業後に習うのは患者の方を向いている技術ではない。
削って>神経を取って>被せて>だめなら抜いて>ブリッジ、義歯、インプラントという一連の技術なのだが、
延々と150年以上も拘っている。

ここの読者から見ると患者の斜め上を飛んでいる、おかしな技術を、大まじめに、学んでいるようにしか見えないだろう。
虫歯の真の原因(歯質の電気化学的腐食)も知らないのだから、
現代歯科医学が患者の方を向いていないのは当然と言える。

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2次カリエスはできているので

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除去して新鮮歯質を確保した。
ボンディング材の効きを良くする為に
マージン付近は特に注意して綺麗にする。
もちろん出血はさせない。

ここまで完全な無麻酔下での処置だ。

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α-TCPセメントで覆とう

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2回法

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咬合調整前、ほとんど無調整でいける。
こういう技術は歯の形を完全に理解していないとできないのですが、
これを実用レベルでトレーニングしている歯科医師はいません。
それにはもちろん理由があります。

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 - 削らない・抜かない歯科治療, 今日の2次カリエスシリーズ