今日の充填治療303(初級編)

      2017/03/20

20代男性、左下7、ときどき凍みる。

この部位はほっぺに隠れているので、酸素濃度が低い。
酸素濃度差があると電位差が生じる。
虫歯は細菌が出す酸で溶けるのではなく、
酸の他にさらに電位差がないと虫歯はできない。

これを「虫歯の電気化学説」と名付けていますが、
歯医者はまだ気が付かない。
思い込みというのは恐ろしいものだ。
というか、気が付いたとたんに従来のビジネスモデルが崩壊する。
どうあっても気が付けないのだ。

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虫歯を全部除去できない。
取ると歯冠が半分無くなるだけではなく、
完全に露髄する。
通常の歯科治療では歯髄の保存は不可能な症例だ。

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軟化象牙質(虫歯)をマージン付近だけ、痛みを感じるまで(新鮮象牙質が確保できるまで)除去し、
抗菌剤添加α-TCPセメントで覆とうした。
虫歯を完全に覆わなくてもよい。軟化象牙質に薬剤は浸透するようだ。湿潤環境にあるからだろう。

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CR充填した。薄いエナメル質も覆っている。
なるべく辺縁封鎖性を高めるためだ。
内部に虫歯菌がいても問題無い。
虫歯は細菌感染症ではなく電気化学という電池、メッキ、電界研磨などと同じカテゴリーに属する純粋な物理化学現象だからだ。
虫歯の進行を止めるには、イオンの出入りを遮断するだけでよい、細菌の完全除去など考える必要はない。
ただイオンの出入りを遮断することは簡単ではなく、今のところ、十分に吟味された一部のCR充填システムだけができる。

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 - 今日の充填治療シリーズ, 削らない・抜かない歯科治療