なぜメインテナンスなのか? その4

      2017/02/26

わけぎのお話の時にちらりと出てきた夏みかんです。
せっかく無農薬・ノーワックスのみかんをいただいたので
オレンジピールならぬ夏みかんピールにしようと、皮を煮て、
煮あがったものを干したいのだけれど、困ったことに
この日はお天気がいまいち。
ウチは皆様もご存じのように日当たりもちょっと、、、なので。
えいっ!オーブンの低めで乾燥させちゃえ!!と、並べてはみたものの
柑橘類の皮に含まれる精油成分は揮発性ですので
ここでオーブンを使うとホントに出がらしになっちゃうなぁ、、と
天板をかかえてウロウロした結果、このまま数時間干して
グラニュー糖をまぶして冷蔵庫で低温乾燥することにしました。
生乾きなので、やわらかめです。(-“-;)
子供たちの(いや、自分の?)おやつ用に
ホットケーキミックスで手抜きなバターケーキを焼く時に
刻んで入れましたが、食感が程良くて、爽やかに香る、
なかなか立派なものになりました。怪我の功名ってやつですかな?(笑

無理やりですが”みかん”つながりで、、。
赤ワインにオレンジの皮やらジュース、シナモンなどを加えた
サングリア(sangria)という飲み物をご存じでしょうか?
ラテン語の”血”sanguis からスペイン語のsangreとなり、
血のように赤い sangria になったというところでしょうか。

頻繁に血液中から見つかるために
その名前に”血”を冠している細菌類がいます。
Streptcoccus sanguinis といいますが、
これは歯垢の中で最も多い菌種といわれています。

血液中に入り込んで細菌性心内膜炎など重篤な感染症を惹き起すのが
S.anguinis を含む Streptcoccus Mitisグループです。
虫歯とセットでご記憶の方もおられるかもしれないMutans(ミュータンス)菌群や
その他、歯周病原性菌群もまた細菌性心内膜炎を起こすことが知られています。

血液中は本来無菌であって欲しいのですが、なんでそんな所に細菌が?

ここで、またまたバイオフィルムの登場です。
”濡れていて硬い”歯の表面にバイオフィルムは形成されます。

歯についたバイオフィルムは歯周ポケットの内側に潰瘍面を作り、そこが
細菌たちの血中への入り口となります。
当院へ歯のクリーニング=口腔メインテナンスにおいでいただいている方は
ご自分の歯周組織検査の値をご存知かと思います。
その中に、BOPという数値がありますよね。
歯周組織検査の時に出血するポケットの割合を表す数値です。
私たち歯科医師も当院の歯科衛生士も歯周組織検査時の器具を扱う圧力は
ほぼ一定です。そのように練習してますから。
それでも出血するポケットとそうでないものとがあります。
触れると出血してしまうような壊れやすい歯肉粘膜は
正常な状態ではないのです。
”BOPが高いから”となかなかメインテナンスの間隔をひろげられない方々、、、
お心当たりがあるのではないでしょうか?

健常な方であればさまざまな防御機構が働きますので
歯垢や口腔内のバイオフィルムから遊離した細菌が血中に入り込んでも
血液中で増殖することはなく、速やかに菌は血中から駆逐されます。
ま、それでも一過性の菌血症にはなるのですが、、。(-“-;)

ただ、細菌性心内膜炎のハイリスクグループとされる
心臓に弁膜障害を持っておられる方たちには危険です。
また、出血を伴うような歯周ポケットの存在下では
口腔内細菌は頻繁に菌血症を起こしますから、ガン、糖尿病、免疫不全、
高齢であるなど、感染に対する抵抗力を失っている、易感染性の患者さんでは
容易に敗血症へと進行する危険があります。

誰でも、ではないのですがリスクのある方たちはご用心、ということです。
”誰でも心内膜炎!”かとギクリとされましたか?

いえいえ、ほんの序ノ口、命を狙うデンタルプラーク細菌の攻撃は
実にバリエーション豊かです。

先にこれだけはお知らせしておきますね、
健康で長生きをしようと思ったら、歯のメインテナンスは、常識!なのです。

つづく。

 - 削らない・抜かない歯科治療, メインテナンス歯科