歯科医院長mabo400のブログ

虫歯の電気化学的予防法(酸で歯が溶ける?その5) (7)

2017/02/26
 
この記事を書いている人 - WRITER -


マイナスイオン歯ブラシ【訳あり】フクバデンタルイオン21★白★(ブラシ付き本体)

虫歯の電気化学的な予防法ってナニ?と考えてみたのですが、
歯から電子が抜けて歯がイオンとなって溶出するというなら、
その電子を無理やり外から供給してやれば良い。
・・という方法はもうすでにあります。
電気防食法があり,大きくカソード防食法とアノード防食法に分けられます。
カソード防食法は,防食対象の金属に対してその金属よりもイオン化傾向の大きい(イオンになりやすい)金属を電気的に接続し,防食対象の金属の溶出を保護する流電陽極法と,防食対象の金属に対して別の金属を対極として用意し,防食対象の金属が陰極になるように外部電源を接続する外部電源法があります。

cathodic%20protection.jpg

フクバデンタルのイオン歯ブラシは内部にボタン電池が入っており、
握り手側がマイナス、歯ブラシ側がプラスになっており、
歯に電子を供給する。
この商品が外部電源法を意図しているかどうかは知りませんが、
うちにも置いてあります。

また、流電陽極法に良く使われるのは亜鉛で、
自然電位が小さく(イオン化傾向が大きい)、
周りの金属の替わりに溶けて、周りの金属を保護するものです。

zu06.gif

下図は鋼鈑に貼り付けた亜鉛プレートの周りの赤錆の様子です。
亜鉛プレートの周りは錆びて(腐食して)いません。

photo04.jpg

亜鉛といえば、
歯科用充填材料で一番最初に思い出すのは、
アマルガムです。

IMG_6742-21.JPG

アマルガムは亜鉛と水銀の合金で、
経験的に充填後に虫歯が再発し難いのは確かです。
残念ながら、水銀が入っているので、体に悪いのでは?
という憶測?で、今は入手不可能です。非常に残念!
水銀には毒性があるから細菌が繁殖できない?だから虫歯ができない?、
とか言われていますが、そのメカニズムは歯科学ではよく解っていません、
一度固まって合金になれば、
問題になるほど水銀が溶出するとは思えませんので、

たぶん流電陽極法による防食作用があるのでしょう。

もしかしたら、最強の充填材料だったのかもしれません。

昔はアマルガムは貧乏人の治療、
金持ちは金箔充填、といわれていました。
純金を虫歯に充填する方法があるのですが、
僕は学校の実習で一度やったことがあるだけです。
純金の展性(使っていると純金は延びるので自働的に隙間が埋まる)により隙間ができませんので、隙間腐食が起こらないのでしょう。
アマルガムは硬化時に膨張するので、隙間ができにくいと言うこともあります。

アマルガムも金箔充填も過去の治療法になってしまいましたが、
いずれも接着剤が要らない、
というところが隙間腐食を起こさない点で共通しています。

復活させたほうが良いと思います。

接着剤と言えば、
亜鉛が入ったものに、
リン酸亜鉛セメントとカルボキシレートセメントなどがありますが、
いずれもなぜか虫歯になり難いセメントと歯医者なら誰でも感じていると思います。

操作性が悪いとか接着力がいま一つとかいう理由で最近はあまり使われませんが、
防食性という点で見直されてもよいのではないかと思います。

いつかは接着ハガレが起こり、
隙間腐食が始まる接着剤を使う現代風の充填、修復処置がどれくらいもつか?
皆さん気になるところでしょうが、
経験的には最大30年くらいのような気がします。
もちろん条件が良い場合です。
条件が悪い場合は1~2年もたないこともあります。
せいぜい5~10年でしょう。
充填物がよくもっている人で
唾液検査などカリエス・リスク検査をしてみると、
やはり虫歯に関してはローリスクの方ばかりで、
これは虫歯になるほうがおかしいよね、、
虫歯を修復処置しないで放置していても、大して変わらないんじゃない?
とか思われる場合も多く、
修復物の出来が良いからもっている、という言い方では
手前味噌過ぎるように感じます。
修復物の出来が悪くても虫歯が再発していないことは多いのです。

まあ、いずれにしても、
一度削る歯科治療をしてしまったら、
後は知らない間に隙間腐食なんかが起こっていることを心配しなくてはならないので、
予防が一番です。

予防は確実にできますから。

そろそろ、従来型の歯科医療は卒業するべき時期に来ていることを痛感します。
これからは「メインテナンス歯科」です。

おわり

参考文献:1、亜鉛による防食
2、丹治研究室 Tanji Laboratory ホームページ

この記事を書いている人 - WRITER -

- Comments -

メールアドレスが公開されることはありません。

Copyright© I歯科医院の高楊枝通信。 , 2009 All Rights Reserved.