虫歯の成因:電気化学説

      2017/02/26

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咬合面ウ蝕という咬合面の溝やくぼみにできる典型的な虫歯のメカニズムです。

E:エナメル質にちょっとでも穴が開くと、
D:デンティン(象牙質)だけが溶ける。
しかもDEジャンクション(デント・エナメル境界)に沿って象牙質だけが溶ける。

という特徴がありますが、単なる酸蝕というメカニズムでは説明できません、
酸で溶けるのなら、象牙質だけが溶けるというのはおかしくないでしょうか?
いくら象牙質の方が臨界pHが多少高いとは言え。

表題図の電気化学説によれば、
虫歯が進行する要因としては、
4つのポイントがあります。

1、EとDではイオン化傾向がD>E(Dの方が先に溶ける:Eは電子e-をDから奪う)。

2、虫歯の内部と外部では酸素O2濃度が外部の方が高い。
外部のO2はe-とH2Oから水酸イオンOH-を生成する反応を促進する、
つまりO2濃度の低い虫歯の内部からe-を奪う、
e-を奪われたカルシウムCaはCa2+となり溶出する。

3、内部に生息するバクテリアは有酸素呼吸によりO2を消費するので、
内部のO2濃度は外部に比べて低下する。これは2、の反応を促進させる。

4、バクテリアは解糖系で酸素を消費しつつ水素イオンH+:酸を出す、
H+は2、で生成されたOH-とは拮抗するので、H+雰囲気の方が2、の反応を促進させる。

1~4の反応は全て象牙質からCaを溶出させることを促進する。

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