口臭と虫歯の関係

      2017/02/26

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バイオフィルム中の硫酸塩還元菌(SRB)の微生物腐食に対する影響
自然環境中では,硫酸塩を最終電子受容体にしてエネルギーを得る硫酸塩還元菌(SRB:Sulfate Reducing Bacteria)が存在していることが知られています。SRBは異化的に硫酸塩を硫化水素に還元する偏性嫌気性細菌であり,酸素のない嫌気的な環境に普遍的に存在しています・・・

ということで、
環境中に豊富にある硫酸塩が還元されてS+(硫黄イオン)になる過程で他所から電子を供給される
という電気生化学反応式?が示されています。
もし、電子が周囲にある金属から供給されるとしたら、
その金属は腐食します。
PRS

このような機序はまだ十分に解明されていないとしても、
酸素がない嫌気的な環境でも起こりうる
微生物腐食が考えられるということです。

通常の好気的解糖系では糖を分解しエネルギーを得る過程で最終的には酸素を消費し、
最終産物は酸(H+)と二酸化炭素となります。
これによって生じる酸素濃度勾配とH+と
歯質間あるいは歯質と金属製修復物間に電極が成立すると濃淡電池と呼ばれる局部電池が形成され、
マイナス電極になった方が溶ける(虫歯になる)ということです。

しかしこれだけではなく、
嫌気的な場所でも実際に腐食は起こっているわけです。

この反応の最終産生物はS+(硫黄イオン)で、
通常は硫化物になり安定します。

口腔内で代表的な硫化物というとH2S(硫化水素)で、
いわゆるドブ臭さ、口臭の原因物質の一つです。

もう一つは黒い硫化物、FeS(硫化鉄)です。
進行が止まっている虫歯が黒くなるのはこの硫化鉄だと思われます。

というわけで、ここに記述されている偏性嫌気性細菌は口腔内にも存在しており、
主に酸素が少ない環境である歯周ポケット深部に生息する細菌で、
お口の中では歯周病菌に分類されますが、

虫歯の原因菌でもある可能性があります。

実際には歯周ポケット内部にできる虫歯は少ないのですが、
全くないわけではありません。
歯周病が治りにくい症例で、
歯周ポケット内部に虫歯があり、
これを治すと歯周病も改善したという症例を経験したことがあります。

微生物腐食の一種と考えられる虫歯の原因菌は
好気性細菌、通性嫌気性細菌、偏性嫌気性細菌にかかわらず、
細菌が生きてゆく過程で他(主に周囲の金属)から電子を奪うというということが
虫歯の原因あるいは助長因子の本質と思われます。

単に歯の表面に張り付いている、あるいは虫歯の穴の中に生息している細菌が虫歯の原因菌であるというのは
短絡的かつ的外れな考えで虫歯の本質には迫れないように思われる。
虫歯菌と呼ばれるストレプトコッカス・ミュータンスをいくら歯牙表面で培養しても
せいぜい表面を脱灰させるだけで、深い虫歯を作れないということはこのことを示しているのではないでしょうか?

 - 削らない・抜かない歯科治療, 虫歯の電気化学説