歯科医院長mabo400のブログ

I歯科医院の高楊枝通信。

今日の抜歯再植術シリーズ105.01

2019/03/06
 
この記事を書いている人 - WRITER -

50代女性、左上2、GA、根尖性歯周炎、穿孔、クラック。押すと痛い 001720

表題画像は抜歯すると膿瘍などの炎症性組織は根尖に固着していることが多いので、
一緒についてくる。ベロ〜ン、、ってな感じだ。
白く写っている部分は顕微鏡検査ではマストセルと呼ばれる炎症性の脂肪細胞だった。脂肪と炎症の関係は今は思い出せない。
上の方に穿孔があり、それに続くクラックもある。この部分にフィステルがあり押すと痛いのだと思う。

12年前のレントゲン画像では、器具、たぶんクレンザーが折れこんでいて、その所為か根尖口付近に細菌感染して膿瘍形成している。よくあることだ。神経を取る治療はしない方が良い。

他院にて感染根管治療を受け、新しく冠を作成されている。
しかし、器具を取ることはできず、新たに穿孔させてしまっただけだった。
エンド治療はトラブルの元、どんなに頑張ってもこの程度だ。しなくても済むようにするべきだろう。またそれはできる。

前回のつづき

http://mabo400dc.com/dental-treatment/replantation/今日の抜歯再植術シリーズ105-00/

抜歯前だが、唇側にGA+フィステルがあり、触ると痛い。

抜歯中に冠がコアごと脱離した。
冠はハイブリッド系のCAD/CAM冠か?コアはファイバーコア+コア用コンポジットレジン?

脱離した理由は歯根が非常に薄くなっており抜歯時にたわむからだ。
矢印部分は穿孔部分を歯根内部から見たところ。

抜歯すると膿瘍が付いてくる。ベロリ〜ンと言った感触だ。
膿瘍とは細菌などの異物と免疫系が戦っている慢性炎症組織だ。

穿孔部分にも膿瘍があり、歯冠側にクラックが続いている。
穿孔は前医の治療中の事故によるもだ。
クラックは今回の抜歯時に完全に離断した。

角度を変えてみた。

左から膿瘍内のマストセル、位相差顕微鏡で見ると丸い脂肪が遊離して見える。膿瘍内の肉芽、ここには結合組織中に細菌やリンパ球などの免疫細胞が見られる。

次が穿孔部分を充填しているガッタパーチャーポイント、とてもではないが、緊密充填とは言い難い。歯科医学の理想から見ると絶望的な気分になる。
前医も処置を進めながら絶望的な気持ちだったかもしれないw

これが現実なのだ。

要するに神経を取るなどという不確実な処置は最初からしてはいけないのだ。
神経を残すこと、それは非常に簡単にできる。若い歯科医師の皆さんはここの過去記事を見て、真似してみてください。

つづく

この記事を書いている人 - WRITER -

- Comments -

メールアドレスが公開されることはありません。

Copyright© I歯科医院の高楊枝通信。 , 2019 All Rights Reserved.