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I歯科医院の高楊枝通信。

今日の抜歯再植術シリーズ106.01

 
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20代女性、左下7、Per、咬合痛+ 004418

噛むと痛いのでどうにかしてほしいということだが、
はっきり言って抜くしかないと思う。
レントゲン写真を見ていただくと判ると思うのだが、歯根を支える歯槽骨が失われている。触るとかなり動揺する。動揺度2.5と言ったところだ。

一般的な診断基準ではhopeless:絶望的ということになる。
この歯を保存してみようと思う歯医者は世界中探してもいないだろう。
通常の治療方法しか選択肢がなければ僕にもできない。

こんな歯でも抜歯再植でどうにかなる(こともある)。
患者も「骨を取り戻す!」というので、「気合で頑張ってね!」と応援したw

Per(ペル)という病名はPeriodontitisの略で、辺縁性歯周炎とでもいうのでしょうか、歯根周囲が炎症性の組織:膿瘍で覆われている状態だ。

原因は神経を取る治療が上手くいっていないということで、神経や血管が出入りする根尖付近にある穴が塞がっておらず、そこに細菌が住み着いているということだ。

別に穴ならなんでもよく、天然の根尖口だけではなく、人工的に開けてしまった穿孔や外傷性にできたクラック(ヒビ)のような細菌の生息場所になるような場所があればPerになる。

抜歯歯牙の遠心面はひどいことになっている。
硫化鉄FeSに染まった歯石がこびりついた肥厚したセメント質。
ここには歯根膜(歯根と歯槽骨の接続部分)が失われている。
ま、有り体に言って、「お前はすでに死んでいる」ということだ。

とりあえず、FeS入り歯石は除去して、セメント質は残す。
セメント質があれば歯根膜が再生しやすいからだ。

再建

根尖方向から見たところ。
根尖口は2つ確認できた。この穴が塞がっていないのがPerの原因だ。
穿孔やクラックは見つからなかった。

綺麗にして

再建

近心面は歯根膜もあるし比較的綺麗だ。

綺麗にして

再建

つづく

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