今日の抜歯再植術シリーズ118

50代男性、左上1、歯冠破折、自発痛ー 002000
何時割れたかも自覚がない、なんか違和感があるというだけです。
レントゲンを見ると歯槽骨もかなり吸収されているので、この数週間ということはないだろう。数ヶ月か、あるいは1年以上経過しているかもしれない。ちなみに5年前のレントゲン写真では異常は見られなかった。
見た目はなんともなさそうだが、揺すってみると、破折線が見える。
仕方がないので、覚悟を決めて抜歯することにした。
抜歯と言っても再植するつもりだ。
今日は再植、二人目だけれど。。w
歯冠は指で引っ張ると取れた。
歯根もしっかり付いていたが、短いのですぐ抜けた。
抜いた歯冠と歯根
合わせてみた
なんと、破断面には2次象牙質ができていて歯髄は自然治癒というか露髄していなかった。
2次象牙質を除去すると歯髄は生きている。
根管治療とか不要だということがよく分かるだろうw
あんなものが上手くいくはずがない。
下手をこいて器具が折れこんだり、穿孔させてしまうとか、不潔な指で巻いた綿栓を根管に突っ込んで感染させるとか、普通の頭があれば、おかしいということに気がつくはずなんだが?
上手くいっているケースはたまたま患者の自然治癒能力が高かっただけでは?
そうは思わんのかね?w
歯冠側の髄腔も2次象牙質で埋まっている
とりあえずはポストが入るように開拡
既製のポストを使って再建する
再建後
用意ができたら
再植
連結固定、バイト調整
包帯、投薬四日
関係ないけれど、この方も外傷性咬合の持ち主。
口蓋に骨隆起があり、白板症になっている。
5年前にはすでにあったが、少し大きくなっているようだ。
そろそろ口腔癌の疑いで口腔外科に送って生検かな?
Comment
このシリーズ毎回見入ってしまいます。
先日のコメントに早々にお答えいただきありがとうございます。ダイレクトボンディングはマイクロスコープを使えば精巧に出来るというわけでもないのですね…。
問題の6歳臼歯、エナメル質は肉眼では虫歯とわからず、ある日突然痛みだし開けてみたら露髄寸前の深い虫歯でした。MTAで覆髄していただきレジンで仮封してあります。先だって炒り豆を食べて歯が欠けてしまいました。先生のおっしゃるように咬合性外傷なのではないかと思います。氷や節分の炒り豆などをカリカリした食感が好みのようです。気を付けるよう話しました。
ダイレクトボンディングを丁寧に施術してくださる先生を探してみます。(ホームページだけが頼りになるなのでファイルですが…)
先日のレントゲンで見ると
第2象牙質は出来ているとのことでした。その場合、先生がダイレクトボンディングするとした場合MTAは撤去致しますか?
(レジンで直接覆髄でも良いのかとブログを読んで思いました。)また質問してしまい恐縮ですが、よろしくお願い致します。
MTAセメントを除去するときにまた穿孔露髄させたり、歯髄に感染させたりする危険性がありますから、
CRの厚みが十分取れるくらいで、深いところは残しておいて良いのでは?
咬合性外傷というよりは「フッ素爆弾」ですね。サイト内検索してみてください。
硬いものではCRも歯質でも欠けます。止めるように。うちではたまに補強冠をすることもあります。
フッ素爆弾、最初に読ませていただきました。
(なぜ、象牙質だけ虫歯になったのか疑問に思い調べている際こちらのブログに辿りついた旨)
虫歯は細菌感染ではなく電気科学的腐食の理論
こちらには驚きと目からウロコと申しますか、大変感動いたしました。既に読破致しております。
MTAの件、ありがとうございます。
先生のお考えを伺うことが出来、安心いたしました。
実は昨日、レジンの件で訪ねた歯科医の先生も全く同じお見立てでした。
補強冠の提案は残念ながらありませんでした。
現在仮封のためレジンが擦り減ると
MTAが一部露呈します。溶け出す?のか口の周りがアルカリ(推測)でカサカサになります。このことてMTAに不安を感じ撤去を考えました。
先生におかれましては
MTAの効能や成分については
どのようにお考えでいらっしゃますか?
覆髄に最適と謳われていますが使用しない理由をお聞かせ願えますでしょうか?
あとひとつ、ラバーダムの有用性についてのお考えも是非お聞かせ頂けますでしょうか
先生のお考え心よりご信頼申し上げております。
どえぞよろしくお願い致します。
MTAもα-TCPもアルカリ性で静菌作用があり歯質内部の殺菌に神経質にならずに済むメリットがあります。
特にα-TCPは歯質そのものですので、直接覆髄にはMTAよりも最適だと思います。
MTAはコンクリート(モルタルセメント)と同じものですから、歯の再硬化にはちょっと弱いかなと思うのと、
硬すぎて再治療が難しい、仮の根管充填には使えない、高価で保険が利かない、今の所使うつもりはありません。
みなさん使いたがるのは、保険が利かないので、以後の治療も保険外になり儲かるからでしょう。
これは業界の不都合な真実です。。
α-TCPセメントは健保適用品です。だから良いものでも使いたくない。それだけで終わってしまうので、儲からない。困ったもんだ。。
ラバーダムは昔は使っていましたが、ラバーダムクランプで歯を割ってしまってからは使っていません。
エンド治療には使った方が良いと思いますが、うちではそもそも神経を取らないので、この20年使っていません。
再治療の必要なクランプを掛けたら壊れてしまうような弱っている歯や、両隣にかけても、ラバーの穴が掛からない残根ばかり手がけていますので、不要というか使えないのです。
あれは取る必要もない神経を取る時には必要かもしれませんが、それだけです。
もちろん虫歯の充填には必要ない。虫歯は細菌感染症ではないし、覆髄は静菌、殺菌作用のあるα-TCPを使っているし、唾液がかかる前にサクッと充填を終わらすからです。もたもたしている不器用な歯医者には必要なのかもしれませんが。
うちの業界だけではない、どこの業界にも、外部に漏らしてはならない不都合な真実で溢れかえっていますよ。
内部にいても気がついた時にはどっぷりつかっていて足抜けできない。
自分の目で勉強して、自分の頭で理論的によく考えてください。世の中に綺麗事などありません。うそで溢れかえっています。
僕もこれ以上はコメントできないですよ。ここは匿名ブログなのである程度本当のことが言えますが。
業界のウラ事情…
タブーが満載
どこの業界にも少なからず必ずある話ですね(汗)
やはり「自分の家頭で考える」ことはとても重要だと思います。
真実を追求し、日々研鑽されている先生の姿勢にブログを読む度、感動いたしております。
自由診療ではないようですので
経営の方が心配になりますが。
都内の自由診療歯科医では
初診とカウンセリング料金がお安いところで1万円、お高いところは4万円強。
今回先生に何度もメールでお答え頂いたのでカウンセリング料金をお支払いしなくてはと思う次第です。
毎度、貴重なお話をお聞かせ頂き感謝しております。
MTAの件、ラバーダムの件につきましても
ご意見誠にありがとうございます。
過去の記事にも色々書いてあることを思い出し、ブログ内キーワード検索でまた改めて読ませていただきました。
問題の6歳臼歯、空洞が大きいのでセラミックを勧められました。(セカンドオピニオン)
セラミックはセメント接着ではなくボンド接着なのでしょうか?封鎖性はレンジとセラミックととちらが高いでしょうか
(いずれにせよ、施す方の技量に大きく左右されてしまうことは否めないですが)
MTAはセメントなので
硬さがあるため
歯の根が割れないか心配です。
(素人考えでお恥ずかしいですが)
またマイクロスコープで見ると頬側にたてに筋が入っているのが気になります。
筋とはすなわちヒビ?なのでしょうか
大きな空洞の6歳臼歯の補填の場合レジンとセラミックどちらをえらんだら良いでしょうか
一概には言えない事とはおもいますが…
ご多忙なうえ、大変お疲れだとおっしゃっていましたので(ブログ)余裕のある時で結構ですのでご意見頂戴いたしたくお願い申し上げます。
私はCR以外は使いません。儲かりませんが、歯の削除量は最低だし、封鎖性も優れています。
再治療も簡単です。
ヒビがあると外側性クラウンを勧められませんか?
咬合性外傷はどうにかコントロールしないと歯は何をやっても長持ちしません。
材料やテクニックの問題ではありません。
咬合性外傷 どのような対策がありますか?ナイトガード
あと食いしばりなどを意識的になくす
などでしょうか
あとは固いものを食べない?!
このようなことで防げるでしょうか?
お察しの通り
最初にクラウン勧められました…
被せたほうがよいと。
6番抜歯して7、8の親知らず(まだ歯茎の中)を移動させる矯正に切り替えたほうが良いのでしょうか(インターネットで見た方法)
何が1番良い方法なのでしょうか…
外傷性咬合の方は最近、異常に多いです。来院患者の3人に1人とか。
文明の崩壊が近づいていますから、無意識の内に察している人が増えているのかもしれません。
ナイトガードくらいで、歯科的には何もしないのが一番です。
一体何歳?
もうすぐ12歳になります。
タピオカより炒り豆大好き女子です。
炒り豆禁止令出しました 笑笑
本当ですね、文明の崩壊
これから先の日本大いに心配です。