今日の抜歯再植術シリーズ135.01

40代女性、右下7、歯根破折、Per、咬合痛+ 002588
神経を取った歯は破折しやすい。咬合性外傷があればなおさらだ。
歯をイジるとろくなことはないというのは歯医者ならだれでも知っているのだが、だれも止めようとしない。理由はそれしかできないのと、BMWに乗りたいからだw じつは歯医者は歯のことを真剣には考えてはいない。自分自身の歯でさえそうだ。
前回のつづき
http://mabo400dc.com/dental-treatment/replantation/今日の抜歯再植術シリーズ135-00/
この症例はかなり以前、僕が感染根管処置をしたもので、自費治療でしかほとんど行われない垂直加圧根充(オブチュレーション法)をしている。それが、Perになって根尖が吸収されたり、歯根が破折したり、いくら丁寧にやってもこのザマだ。
表題画像を見ても、破折歯根内部には緊密に根充材が入っていることが分かる。破折面が黒いFeSで汚染されていないことから細菌の侵入はなかったと思われる、それでもこの体たらく、何もしない方がマシだったのかもしれない。どんなに頑張っても歯科医療とはこんなものだ。
こんなことを言うと業界を敵に回すことになるのだが、自分は完璧、こんなことにはならない、と天地神明に誓って言える歯科医師がいるのか?まぁ、そんなことが言えるとしたら、詐欺師か、サイコパスだろう。
今日は眠たいので、ちょっとだけ進めます。
エンド治療をした時のレントゲン写真等があれば探してみたい。
抜歯前
メタルコアはそのまま使うかもしれないので、接着面積を稼ぐためにディンプルを形成
抜歯窩は膿瘍搔爬、抗菌剤入り生食水で洗浄
抜歯した歯根にはクラックが目につく
裏面から見ると歯根分岐部に膿瘍がある。膿瘍の下には細菌が住みやすい環境があるということだ
膿瘍を除去するとクラックが分岐部にもあることが分かる。
歯根尖は吸収が始まっている。自身の免疫系が自身の歯を異物と判断したということだ。
なんともやりきれない
完全には分離していないと思って、クラック部分を削除していたら、突然離断した。
目では見えないクラックがあったということだ。
つづく