今日の抜歯再植術シリーズ144

69歳女性、左上3、歯根破折、Per
このところ抜歯・再植が続く。高齢化が急速に進行しているからだ。
通常は抜歯しか有り得ない歯でもどうにかして残そうと思えばできないことはない。
この方、もう直ぐ古希(70歳)です。古来稀(こらいまれ)と言われる年齢になっても生きている限り歯は必要だ。今は古希どころではない。卒寿(90歳)も普通になっている。寿命も卒業だと分かっていても、やはり歯は必要なのだ。
若い頃から歯を大事にしてこなかったので、仕方がないとおっしゃるが、やはり自分の歯で食べたいというのは人情というのものだ。入れ歯はできるだけ避けたい。
前装冠が脱離しているという報告をPMTC担当者から報告を受けたが、除去してみると歯根は破折していた。
僕は忘れていたが、患者さんが言うにはリトラクト(矯正的に引っ張り出す)した歯のようだ。
それで歯根が短くなっている。(表題画像参照)
しかも頬側の歯槽骨は失われている。
はっきりってダメな歯なのだが、しつこく(残すのに)こだわってもいいですか?というと、お願いします、だ。それなら頑張る。
抜いてみると小さい。組み立てられるだろうか。。
とりあえず綺麗にして再建して再植してみた。
生着してもガンガン嚙めるはずもないが、なんかの足しにはなる。そんな世界だ。
術後レントゲン写真