歯科医院長mabo400のブログ

今日の抜歯再植術シリーズ157.04

 
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40代男性、右下6、歯根破折、穿孔、自発痛+

何年も前から時々腫れて不快症状が続いていたが、とうとう痛くなって近所の歯医者さんに行ったら、歯根が割れているので抜くしかない。
抜いたら入れ歯やブリッジ、インプラントがあるが、インプラントがオススメ、と言われたので、抜歯を覚悟していたが、パートナーさんがうちの読者さんだったので、行ってみたら?ということになった。

結局破折箇所1箇所、人工的な穿孔3箇所があり、これが長年の不快症状の原因で、もちろん抜歯に追い込まれた原因だ。

歯根破折は根管充填時の加圧操作(押し込む)による破折と思われる。フタのような破折形態だからだ。

穿孔は治療中のタービンや根管形成バーによるものと思われる。

これらは治療中の事故なのだが、どんな歯科医師でもやってしまう。もちろん僕もなのだが、(西洋歯科医学の)理想に忠実に頑張れば頑張るほど事故は起こる。
このような批判じみたことを言うと天に唾きするようなものだからやめておけと修行時代の先輩歯科医師が言っていた。

どういうことか解ると思う。

僕は根管治療は最初からすべきではないと思う。どうせ上手くいかないからだ。
神経は残せないから、後で痛くなるから、神経は取って冠をかぶせようという妄執に世界中の歯科医師が囚われているが、それは、神経を取った歯は被せて補強しないと弱いからという一連のビジネスモデルがあるからで、それ以外の選択肢はお金が欲しいのなら取り得ないのだ。

しかし実は違うのだ。神経を残すことは根管治療よりも難しくはない。
儲からないだけの話だ。このブログの名前がそれを物語っている。

前回のつづき

http://mabo400dc.com/dental-treatment/replantation/今日の抜歯再植術シリーズ157-03/

抜歯歯牙は咬合面以外の再建が終わったら抜歯窩に挿入するのだが、両隣接歯にもあらかじめグルーブやディンプルを形成しておく、準備は抜歯窩内の膿瘍搔爬だけではない。接着固定が重要だからだ。強固な接着固定が不要な症例や単独補綴ができる症例は少ない。
大阪大学の過去の症例では5年生存率(?)が50〜60%位だった記憶があるが、それは固定が不十分だったからだと思う。
うちでは5年生存率95%、10年生存率90%、15年生存率80%位だと思うが、たまに再破折等があっても2回目、3回目の再植をする。

絶対に諦めないことが重要だ。

僕は保存治療を諦めて歯を抜いたら負け、屈辱的な敗北だと思っている。安易に抜いてブリッジやインプラントにしてしまうことは慎むべきだ。
そんなことをすれば人生100年時代を自分の歯でまっとうするのは難しい。

うちでは神経を取ることはないし、乳歯や親知らず以外の抜歯もない。

今回は分割抜歯はせず全部抜歯したが、近心根の歯槽骨は粗全部失われていたので、元に戻せると考えたからだ。実際には僕の永年の酷使で失われている指の力では難しかった。抜歯時には器具が使えるが挿入時の器具はない。

力が必要だったのは、元々歯根間にはアンダーカットがあるし、湾曲歯根、長年に渡る炎症でセメント質も肥厚し強烈なアンダーカットが出来ているからだ。

再建に時間がかかったので麻酔も切れ掛かっていたし、無理やり押し込んだ時には患者さんの眼には涙が浮かんでいた。再麻酔するとエピネフリンで止血されてしまうので、それはあえてしなかった。予後が悪くなるからだ。血液中で組織は再生する。通常ここまで痛いことはない。一瞬だ。

では時系列で。









終わり?つづく?

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