今日も野戦病院シリーズ39.00

40代男性、右下6、Per+穿孔、舌側歯根分岐部GA、時々腫れる
この方、16年前に他院での治療途中で、1年ほど放置していて、痛くなったので来られた。
その頃生まれたこの方の子供ももう高校生だ。
表題画像を見ていただければ同業者には分かると思うが、手の施しようがないと思う。健全歯質がほとんど残っていないので、通常の歯科治療ができないのだ。
もしかしたら、最初の治療をここでアップしたかもしれない。自分でも探すのは困難なので、興味がある方は探してみて欲しい。
内部の象牙質は虫歯で溶けてしまっている。歯根もセメント質の肥厚、根尖の膿瘍形成といいとこ無しだ。歯根分岐部には穿孔があるので歯槽骨は失われている。
α-TCPセメントとCRだけでもかなり改善していると思う。
その後も症状が出た時にエンド治療やα-TCPセメントの再裏装を繰り返している。
一進一退を繰り返しているようにも見えるがどうだろうか?
この手の治療困難な歯を見ると歯医者はつい抜歯してインプラントを薦めたくなってしまうが、16年もって、まだまだいけそう、となればどうだろうか?
インプラントが16年もつ保証はない。
レントゲン写真の時系列
2004/05/07
2005/01/11
2009/04/25
2012/06/12
2018/12/05
これが今回
2020/07/28
つづく