HS-400の帯域拡張例

ラジオ技術元編集長のI氏宅には河村先生監修のHS-400の帯域拡張システムがある。
もちろん平面バッフル化されており、HS-10000を除き、現時点での究極システムであることは確かだと思う。
HS-400の低域拡張法はKNH法というシェルビングフィルターを使う方法が確立されている。和太鼓の大太鼓のリアル音圧再生は難しいと思うが、暗騒音によるリアルな音場感やパイプオルガンの最低域は再現する。
HS-400にHS-1500のウーファL-301とHS-5000のツィータH-2001を追加すると略20Hz〜20kHzまでの全可聴帯域をカバーできる。
日立のネットワークの設計法は順次2分割法といって、樹木が枝分かれしていくような分割方法で、2つ上のスピーカとのクロスオーバー部分での位相反転を元に戻す位相器(フェイズシフター)が特徴的だ。
回路の概要は定抵抗化した上で、低域及び高域の共振を電気的に補正してQ=0.5として-6dB/oct.のスロープとみなし、さらに-6dB/oct.を被せて-12dB/oct.のクロスオーバーとして逆相接続されている。
およそスピーカーは電気振動(電気信号)を機械振動に変換し、さらに音響(空気振動)に変換するという複雑な機械であり、一筋縄ではいかないのだが、多くの人々はほとんど何も考えておらず。スピーカーを机の上にポンと置いて聴いているかもしれないが、それは完全に誤りだ。
なぜかというと、全てのスピーカーは無限大バッフル(2π空間、壁埋め込み)設置したという前提で、音響諸特性は理論的に解析されているからだ。
そうでないと、いくら理論的な設計をしても平面バッフル化しないことには回折効果その他で周波数特性は無茶苦茶になってしまう。
実際に無限大バッフル化するとこんなに音が良かったのか、、今までのは何だったのかと愕然とする。
Comment
自分のところも早く無限(3m×3mくらい)にしたいのですが、
どうしても家の事情で出来ていません。
わかっているのですが、出来ていません。
そうなんですよね。。最初からそのつもりでないとなかなかできないです。
栗山さんもおっしゃっていましたね。家族持ちだと難しいかも、でもやってしまえば普通になってしまうとも。