日本の財政破綻3

      2017/02/26

66年前の終戦後の悪性インフレについて考えると、
これから起こるだろう悪性のインフレについて理解が深まるのではないかと思って調べてみた。
今はデフレと言われているが、そうでもない。
石油製品や食料品などはじわりと上げている。
原因は投機資金の増加、気候変動といろいろあるが、

一番の原因は、資源の供給が需要を満たせなくなる日が近づいていることだ。
特に重要なのはエネルギーだが、
その中でも石油の供給が年率5%~6%で漸減している。
石油の需要が供給を満たせない日、
いわゆる「オイル・クランチ」は2015年と予想されている。

この状況は終戦直後と似ている、植民地を失い、輸送手段が壊滅し、
資源・エネルギー、食料不足はひどいものがあった。
今後は悪性インフレと言うよりは不景気なのにインフレになるというスタグフレーション状態になりそうだ。

66年前と現在ではどのくらいインフレになったかという目安を
国家予算を例にとってみると、
終戦当時を約250億円ほどで、
現在のそれを100兆円とすれば、
ざっと4000倍になっている。
まあ、比べる物によって全然違うので、
なんとも言えませんが。

ところでインフレとは何かというと、
お金の価値が下がるということなのですが、
具体的には世間に流通しているお金の量が増えることです。

終戦当時の国家予算は一般会計で222億円、
終戦時昭和20年8月15日のお金の流通量は302億円、
一応これで世の中は回っていたわけです。
そこへ本土決戦に備えた特別会計が850億円、
これを全部軍需会社に振りまいてしまいました。
戦争が終結してもです。

また戦争中は使うことができなかった国民の預貯金が2600億円、
戦後は自由に使うことができるようになったので、
預金を下ろしてヤミ物資を買いあさり。
銀行は軍票を日銀に持ち込み現金に換えた。

それやこれやで日銀券を刷りまくり、
その分市中に出回るお金は増え、
昭和21年2月17日、預金封鎖直前の日銀券発行残高618億円。
まあ、2倍くらいのインフレで思ったより大したことはありません。
同年3月3日、新円切り替えで約1/4のデノミをしたにもかかわらず、
その年の暮れには日銀券発行残高933億円、4倍のインフレ。
終戦時の8倍のインフレ。

昭和22年1月25日に復興金融公庫発足。
復興金融公庫債券発行。
これはケインズ理論により、
生産が増えればモノの供給量が増えてインフレは止まるだろうというもくろみで、
軍需会社が平和産業に転換する資金を供給した。
しかし当時の日本は貿易禁止、海外からの食料、資源・エネルギーの援助は一切なかったので、
平和産業に転換したところで、資源・エネルギーが足りないので、生産などできはしない。
しかも、公定歩合が銀行の貸し出し金利よりも高いという状況化では生産するより
物資を横流しする方が儲かったので、軍需会社はヤミで儲けた。

この辺りは金融政策の誤りですね。
インフレを退治しようとして余計インフレを助長しただけ。
要するに経済成長というのは資源・エネルギーが無尽蔵にあることが前提で、
それをどう分配し、その過程でどう付加価値を付けるかということなので、
資源・エネルギーが無尽蔵ではないよ、、となると、
従来の経済政策では全く裏目に出るということです。
これは2015年と予想されている「オイル・クランチ」後は
従来の経済政策は役に立たないことになります。

今の日本の財政の悪化は基軸通貨でもないのに為替不均衡(円高)を是正せず、
国際競争力を奪われているにもかかわらず、
景気刺激政策を無駄に継続して借金漬けになり、
どうにもならない状況に陥っているということです。

で、終戦時なにをすればよかったかというと「モラトリアム=支払い猶予」、
これだけです。
ただし、これはインフレを押さえる効果しかなく、資源・エネルギー、食料不足を補うものではない。単に預金封鎖でお金を失うということがないだけです。
当時これをしなかったのは、財閥解体の流れでの財産税をインフレで軽くするという意図もあったという。
現財務省もこれを狙っていると思われます。

昭和22年末の日銀券の発行残高は2191億円。
終戦時の16倍のインフレ。

昭和23年末の日銀券の発行残高は3552億円、終戦時の24倍のインフレ。
でも、第1次世界大戦後のドイツやジンバブエに比べれば大したことないですね。

で、昭和24年4月のドッジ米公使による「ドッジ・ライン」。
つまり公債発行は一切しない「超均衡予算」の実施。
具体的にはものすごい増税路線、
市中からお金を吸い上げ、その年末の日銀券発行残高は355億円。
1/10に急減。
一挙にインフレは終息した。

これから、政府は消費税を始めとした増税路線を取るそうで、
「ドッジ・ライン」と同じですか。。
そうなればデフレの恐慌です。。
で、国債の長期金利が上がり一挙に財政破綻(デフォルト)。
その後、輸入が滞りハイパーインフレ。

もしくは新規国債を日銀が買い取り、国債解約を日銀券発行で賄い、
増税分で吸い上げる。
うまくバランスを取りながら、ゆっくりとインフレ誘導する。
もし、取り付け騒ぎ等で、日銀券発行量が急増してハイパーインフレになっても、
その分国債が目減りするので、(政府にとっては)それもよし。
そのどさくさで官僚の皆さんは責任逃れもできる。

たぶん財務省はモラトリアムしないで、インフレで借金チャラを狙っています。

ただし、超均衡予算=大増税の「ドッジ・ライン」は貿易の自由化、食料援助がセットになっていたので、
大きな混乱はなかった。
この時1ドル360円と現在の4倍以上の円安で優遇されていた。
現在、中国は15倍、韓国3倍の通貨安ですよ。経済発展しない方がおかしい。

「ドッジ・ライン」で日本のインフレを抑え、同時に経済援助を始めた理由は、
日本が共産化するのを防ぐため。
昭和24年には中国は共産党の支配下に入り、アメリカは焦っていた。

「ドッジ・ライン」後はデフレが予想されていたが、
翌、昭和25年には朝鮮戦争の特需景気により、一挙に経済復興。

また第2次朝鮮戦争が起こると、どうなりますかね?
特需景気になりますかね?

戦争特需期待ということですが、日本が戦場になることも考えられますね。

どちらにしろ、2015年には「オイル・クランチ」で石油の値段が急騰して、
インフレと不景気が同時に起こるスタグフレーションになる。

不換紙幣のマネーゲームで増えすぎているお金の価値は
よくて数分の一になります。
そういう調整局面は必ず来ます。

お金がなくても生きていくには?
資源・エネルギーを使わない経済成長はあり得るのか?
低成長どころか、経済縮小下での経済とは?

研究課題満載です。

やはり、「もったいない学会」会長石井さんの「プランB」くらいしかないですかね?

http://www1.kamakuranet.ne.jp/oilpeak/opinions/planb.htm

 - ドクターのつれづれ。, もったいない学会