もったいない学会石井会長の講義録より、他の1次エネルギーのピーク

      2017/02/26

去年の9月に中国が石炭の使用量がダントツ多いという話をしました。
http://plaza.rakuten.co.jp/mabo400dc/diary/201009250000/
http://plaza.rakuten.co.jp/mabo400dc/diary/201009280000/
石油はピークを過ぎてしまいましたので、
これから急速にエネルギー収支(EPR)が悪化していきます。

要するに、余裕というか、ここの6ページに「自由裁量」と書いてあるのがそれで、
これがどんどん無くなっていくと言う事です。
これがなくなると、今まで出来ていたことができなくなったり、
今まで経済活動だと思い込んでいたものが、そうではない、
単なる骨折り損のくたびれもうけだということになります。
http://www.mottainaisociety.org/mso_journals/vol4/matsushima.pdf

この「自由裁量」が十分に得られるには、
概ねEPRは10以上ないと、厳しいということが分かっています。

imged969e72zikazj.gif
これはインディアンがうさぎを捕まえるというたとえ話ですが、
捕まえるのにかかったエネルギーの方がうさぎを食べて得られるエネルギーより多ければ、
うさぎを捕まえない方がまし、というよりこのインディアンは生きていけません。
この人に奥さんがいて、子供が2人いるとすれば、うさぎは4匹必要ということですが、
これがEPRが4ということですかね。
子孫を残すには最低ぎりぎりEPRは4必要。
でも、それだけではつらいでしょう。
やはり生活の余裕というか、EPRは10は欲しいかな。。ということです。

なぜピークを過ぎるとEPRが急速に低下するのか?というと、
最初は採掘しやすい、質の良いものから使ってしまい、
残ったものは、採掘しにくく、質が悪いものしか残っていないからです。
下の図ではEPRが低下して、グレーの部分つまりネットの部分しか実質的には使えないのだよ、ということです。
ピークを過ぎてしまうと、あっても使えない。
使う前に無くなってしまっている。
つまり、資源エネルギーはネット(正味)で考えないといけない。ということです。
imge90a34f6zikbzj.jpg

質が悪いというならば、
石炭は石油より質が悪いのですが、
それは常温では液体ではないので内燃機関で使い難いとか、
炭素鎖が長過ぎるので原材料にしにくいとか、
そういうことです。

そこで石炭の液化が戦前のドイツで試みられましたが、
EPRは半分になってしまいます。
戦争に使うならしかたがないかもしれませんが、
「もったいない」以外の何ものでもない。
急速な資源の減耗を招いてしまいます。
余計なプロセスを経ず、なるべくそのまま使うことを考えるべきです。

講義中はすべての枯渇性エネルギーのピークの図を見せていただいたような気がするのですが、
それは、この石炭のものとほぼ同じだったと思います。
2030年頃に全てのエネルギー資源はピークを迎える。
img22e51ed9zik0zj.jpg

このままのペースで使い続けると、
2030年には石炭ピークが来てしまいます。
石炭の液化をするともっと速く来てしまう。
石炭は200年分はあるというのは、EPRを考えていないからです。
今世紀末にはあっても使えなくなっている可能性が高いのです。

ピークを過ぎれば、石油と同じでネット(正味)は急減するからです。

石炭と天然ガス(非在来型含む)は主に発電に使われています。
発電に使うなんて「もったいない」。
発電は水力でするべきです。
世界の包蔵水力は十分に残っているのですから。
ましてや、たかが発電に原子力を使うなんて、愚の骨頂です。

石油は原材料と自動車などの燃料に使われていますが、
それは石油が常温で液体だという圧倒的に有利な条件を持っているからです。

それを石炭やガスで代替できるでしょうか?
できたとしても、EPRは下がらないでしょうか?

まずReduceが必要ではないでしょうか?
もうすぐ経済性がどうしたとか言っていられない時代が来ます。
それは資源エネルギーが無くなる前に来るでしょうが、
対応は早く始めた方が有利です。

意識的に始めることができれば一番よいのですが、
どうでしょうか?

 - ドクターのつれづれ。, もったいない学会