歯科医院長mabo400のブログ

I歯科医院の高楊枝通信。

省エネ的充填治療

2017/02/26
 
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Less oil & More energy to get oil
石油は減耗するだけではない、石油を得るのにだんだん多くのエネルギーがかかるようになる、
って書いてありますね。

現在の石油採掘の技術はすごくて、超深海のさらに海底数千メートルにボーリングして石油を汲み上げています。
それだけではない、1つのリグから8本のボーリングを同時にしているとか。
でも、技術の進歩とともに採掘にエネルギーがかかるようになるのです。
だんだん差し引きゲットできる石油は少なくなっていくのです。

それが Net Habbert curve(正味ハバート曲線)です。
つまり、グレーの部分しか実質的には石油を得る事ができないのです。

よく見てください。厳しいです。
これは理論値なので、現実にはこの通りにはならないのですが、
2030年には略石油はあっても利用できなくなる可能性大です。
事実上の枯渇ということです。

2020年頃には石油生産国も自国消費分だけで輸出に回せる分は無くなることが予想されます。
後8年しかありません。
ガスや石炭はまだありますが、それも有限で、
しかも石油がないと利用できないという欠点があるのです。
地球上で液体の燃料であるということが使い勝手上重要なことなのです。
石油が事実上の枯渇となると、
ガスや石炭の液化が始まるでしょう。
しかし、それをやると使えるエネルギーは約半分になってしまうのです。
それでも人類はやってしまうでしょう。
今さえ良ければそれで良いと考える人間が圧倒的に多いからです。
思い当たりますね?

石油の生産量と世界のGDPは強く連動していますので、
GDPもハバート曲線を描く可能性が高いのです。
そうなるとGDPの意味はなくなります。
右肩下がりがトレンドになる指標など意味が無いからです。

しかしそれは所詮経済上の問題に過ぎないわけで、
現実には容易に資源を利用できなくなることが問題になります。

歯科医療の現実に当てはめると、
今は出来る治療が8年後にはできなくなるということです。
お金を出せばできるかというとそうではない。
圧倒的な供給不足になりますので、
だれでも一定水準の医療サービスを受けられなくなります。

そういう近未来の歯科医療の現実を見据えると、
多くのニーズを満たすには、多大な資源エネルギーを必要とする処置はできなくなる可能性が高いのです。
戦後歯科医療が保険導入されて以来60年、
歯医者は歯を削って金属製の修復物を入れるという治療行為を繰り返してきましたが、
一度それをやるとかならず再治療が必要になります。
その再治療のニーズに応えられなくなるということです。

そう言う近未来の資源エネルギー的な現実と患者のニーズを天秤に掛けると、
CR充填はそれを解決する有効な手段となるでしょう。
概算ですが、CR充填は金属修復の数十分の1のエネルギー消費量です。
経済的な現実では約1/5の値段になります。
このギャップは人件費というエネルギー消費量では換算できない経済指標があるからです。

具体的な数字でいうと、
日本ではCR充填は3000円のコスト、
金属修復は15000円のコストです。

アメリカではこの約10倍のコストが掛かりますが、
それはその国の医療制度や保険業界の都合があるからです。

話はそれますが、TPPはそれを狙っています。

そういうこともあって、
うちではここまでやればぎりぎり満足できるだろうというCR充填を追求していますが、
現実問題として3000円のCR充填では設備投資をしてさらに食べていくことはできません。
ちゃんとした科学的な裏付けのある虫歯予防をして、
将来的にはCR充填すら必要でなくなることが望まれます。

で、今日の充填治療です。
8歳女子、右上E、3年間予防をしてきましたが、穴が大きくなってしまいました。
痛くもないし、後2年程持てば永久歯に代わりますので、このままでも良いのですが、
担当歯科衛生士が穴の中の清掃が困難だから充填処置をしてくれとの依頼をしてきました。
うちでは歯科衛生士は独立した歯科業務をしているので、こういうこともあるのです。

穴には水硬性セメントが充填してある。
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麻酔は必要なし、また軟化象牙質(虫歯)は追求する必要は無い。
虫歯は一般的な意味での細菌感染症ではないので、
細菌が残っていても問題は無い事が多い。
ライニングセメントの硬化を妨げない程度の虫歯の除去でよいので、
全く痛くない。
また黒い溝は細菌が代謝したFeSなので除去の必要性はない、清掃のみ。
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抗菌剤を混和したアパタイト系ライニングセメント(商品名ニューアパタイトライナー)適用。
一応抗菌剤は使うが必ずしも必要ではない。
細菌は外部からの栄養がなければ死滅するか静菌状態になるので、
象牙細管を通して細菌が繁殖に足る栄養素が供給される可能性がなければ
抗菌剤は必要ないと思う。
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CR充填完了
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