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吉田松陰の年賀状(子供の読書感想文) (2)

2017/03/24
 
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http://mainichi.jp/select/wadai/news/20120102k0000e040068000c.html

1月2日の毎日新聞に吉田松陰の獄中で書かれた元日の手紙が発見されたという記事が出ていました。これは獄中から兄に送った年賀状で「今朝雑煮を食べ、昔の杉家(実家)のようです。これは戯け(おどけ)の始めです、初笑い初笑い」などと書いてあるそうです。教科書に載っている吉田松陰は幕末の尊王攘夷の思想家で松下村塾を主催し幕末明治に活躍する数多くの人材を育て、1859年に安政の大獄の時に29歳の若さで刑死したという、早熟の天才で過激な思想家というイメージですので、なんとなくちぐはぐな感じでよく分かりません。そこで家にある本で岸田秀(早稲田大学出身)の「ものぐさ精神分析」と言う本に「吉田松陰と日本近代」という論文が載っていたので読んでみました。
その論文には、吉田松陰は「おっちょこちょいのナルスシスト」という意味の事が書かれていました。岸田秀(きしだしゅう)さんは社会心理学者で、日本人と日本の近代史を精神分析する仕事をしている人です。その論文では吉田松陰は1853年のペリー来航時に結ばされた屈辱的な日米和親条約に反対するための過激な尊王攘夷思想を提唱したが、それはペリーショックがあまりにも屈辱的だったので、日本人は精神分裂病的な状態になり、欧米諸外国に迎合する外的自己と、古代から続く万世一系の天皇を精神の拠り所とする内的自己に分裂し、その2つの自我が折に触れ葛藤しているというのが日本の近代史で、その始めの思想家が吉田松陰だというのです。そして、その内的自己というのが本当の自分で、外的自己というのは自分より強い欧米諸国に屈辱的に迎合しているだけの仮の姿で本当の自分ではないというのです。
吉田松陰は内的自己の方の代表で、松蔭は内的自己つまり本当の自分なので正当という意識が強く、回りの他人も本音では自分と同じ考えを持っていると信じているのです。獄中で訊かれもしない、時の外交担当老中の間部詮勝(まなべあきかつ)の暗殺計画をしゃべって、幕府は最初は釈放するつもりだったのに、釈放されるどころか、自分から自分は死刑が相当だと言い放って、外的自己の代表の井伊大老の逆鱗に触れ処刑されています。また江戸での師の佐久間象山にもらった漢詩をわざわざ獄中に持って入り、そのために佐久間象山も獄に繋がれることになったが気にしていないようです。
吉田松蔭は自分の思想に忠実な自己中心的なナルシストなので、他人も同じように考えていると思っているし、その為に他人に迷惑をかけることにも鈍感だというのです。そして、その思想に殉じることも彼の喜びだったのでしょう。このように松蔭は自分の本音に忠実なので、なんのストレスもなく獄中でも明るく振る舞えるのだと思いました。

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