スピーカ原器 (8)

      2017/02/26

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原器という言葉があって、度量衡の基準となるもので、
メートル原器とかキログラム原器とかいうようです。

表題画像のHITACHI HS-400 とHS-10000 はスピーカ原器にふさわしい性能を持っています。
これらで市販のCDなどを聴いてもいつも音が良いとか感じるわけではありません。
性能の良いマイクロフォンとレコーダで録音した音源をスピーカ原器で再生すると、
録音現場で聴いた音と驚く程似ていると思うだけです。

スピーカ原器という言葉は知っていても、
この原器の意義というものに気が付いている方は少ないようです。

世の中にはスピーカにしろマイクロフォンにしろ様々な周辺機器にしても、
数限りない製品に溢れていますが、
これは実はおかしなことです。

HiFi:High Fidelity(高忠実度、高再現性)と言ってみたり、原音再生とか原音に忠実とか、
どこのメーカーも自社製品について謳っていますが、
現実には、たくさんのメーカーや機械があって、どれも違う音がするわけです。

真にHiFiならどれも同じ音がするはず、と思われませんか?

どれもこれもHiFiと称しているものの、どれか1つは本物か、それとも全部偽物だろう、ということです。

具体的には、HS-10000でB&K4190等の高忠実度マイクロフォンで録音した音源を再生しながら、
途中のIC部品を交換してみると、音がおかしなものがあることに気が付くことがあります。
その部品は某雑誌では高く評価されていたりしますが、何かがおかしいわけです。

スピーカ原器を部品や音源の音質チェックに使うと、一瞬でそれらの可否が判別できます。
性能が劣る機械では悪いものでも良く聴こえたりすることもあるのですが、
スピーカ原器を使えば、そういうことはありません。

スピーカ原器を部品や製品の音質評価に使えば、世の中のレコーディング現場やオーディオ機器の生産現場で飛躍的な音質改善がなされるでしょう。
今までは比較できるものがなかったのですから、音質の改善は遅々として進みませんでした。
同じところをグルグル回るだけ、そこには進歩はなかったわけです。100年間もです。
このように考えると僕がいる業界も同じですね。100年前と同じことを言ったり。やったりしています。。^^;

しかし、HS-10000 やHS-400 のようなスピーカ原器が普及すれば、メディアや音響機器の品質は一変するでしょう。

実はその「スピーカ原器」はあるのです。

 - オーディオ, ドクターのつれづれ。