サルでもわかるNFB

   

ネガティブ・フィードバックという手法は
増幅器としての総合的性能をアップさせます。
f特(周波数特性)が高域まで伸び、
総合歪み率が下がります。

具体的には出力Voutの一部を帰還抵抗Rf/Rsにより分圧して、
非反転入力に位相を180°反転させて加算、
あるい反転入力に加算することで得られます。

OPAMP with NFB.jpg

上図で、
裸の増幅率(NFBを掛ける前の本来の増幅率)をA
NFBを掛けた後の中域の実用範囲の仕上がり増幅率をAm
とすると、

増幅の定義より、

Vin×Am=Vout—1

(Vin-(Rg/(Rg+Rf))×Vout)A=Vout—2

ここで1式を2式に代入すると

Vout/Am-(Rg/(Rg+Rf))×Vout)=Vout/A

両辺をVoutで割って

1/Am-Rg/(Rg+Rf)=1/A

ここでAが十分大きいと仮定すると(A→∞)

1/Am-Rg/(Rg+Rf)=0

これをAmについて解くと

Am=(Rg+Rf)/Rg
=1+Rf/Rg

となって、回路図の帰還抵抗の値を見ただけで仕上がりのゲイン(増幅率)が判るのです。

Rf=5.1KΩ、Rg=100Ωなら、
1+5100/100=約52倍です。

増幅器は段数を重ねることにより電圧増幅度を上げることは容易なので、
NFBとは増幅率を犠牲にして(?)、その分その他の諸特性を改善させようというテクニックなのです。

このテクニックを使わないと電子回路は使いにくいので、
避けて通ることはできません。

ところが使用上の問題点があって「発振」という現象が起こりやすいのです。

発振というのは180°位相が回った信号を反転入力(元々180°反転している)に入れると、
合計360°になって信号が無限大に増幅される現象です。
特に入力信号が無くても、増幅器の内部ノイズを増幅させます。

なぜこういう現象が起こるかというと、

増幅素子は電極間容量Cを持っているので、これがゲイン倍され、出力抵抗Rと
C/RによるLPF(ロー・パス・フィルター:積分回路)を形成するので、
Cによる位相遅れが0〜90°の間で起こるからです。

これは発振器と2現象オシロスコープで簡単に実験することができます。

増幅段が1段なら発振条件の180°になることはないのですが、
2段以上になると180°を越える可能性があります。

各段の位相遅れの合計が60°以内なら安定、90°以上だと不安定というのが目安です。

具体的には位相が45°回って、ゲインが1/√2(-3dB落ちた)周波数をポールと言いますが、
このポールの位置をお互いに離すことが発振を防ぐ対策となります。
例えば10倍とかです。

この話はいろいろなサイトで解説されていますので、
ご参照ください。
例えば以下のサイト

http://www.marutsu.co.jp/contents/shop/marutsu/mame/106.html

 - オーディオ, ドクターのつれづれ。