プルサーマルのまとめ。 (6)

      2017/03/24

『プルサーマルって何?』

もし玄海原発にチェルノブイリ級の事故が起これば、
ウクライナやベラルーシとは人口密度が違う日本では
大惨事が予想されています。
大量の放射性物質の飛散による被爆で
半径15km圏内の当地方は即日全員死亡。
北九州までは、被爆により5年以内に人口の半数は死亡
するだろうと予測されています。
大阪くらいまでは高濃度の放射性物質の汚染があり、
半永久的に人が住めない土地になります。

広島、長崎の原子爆弾よりもはるかに
持続的で、且つ広範囲の汚染です。

一知事や一市長にもしもの時の責任が取れるのか?
それは無理というものでしょう。

プルサーマル!?

現状でも充分危ないのに、
これ以上危ないことが要りますか?

このような文章を院内に掲示して住民投票請求のための署名活動を
開始しました。
皆様の御協力をいただくうちに、

『プルサーマルについて何も知らない。
署名してよいのかどうか判断がつきかねる。』

という方がかなりおられました。

誰も本当の事を教えてくれない・・・
そこで、いろいろ勉強してみました。

御存知でしょうか?
プルサーマルを含めて、原子力発電は石油浪費型で
火力発電に比べて2倍以上の高コストなのです。
★石油がなくなれば、核燃料も原発も製造・維持ができない。
★さらにプルサーマル燃料MOXは通常核燃料と比べても10倍高い。

特にプルサーマルは、たとえていえば、
石油ストーブに燃えやすいガソリンを入れて運転するようなもの。
★暴走しやすく原子炉内の核分裂そのものの制御がむずかしい。
★一旦事故が起こると核爆発という大事故に発展しやすい。

通常の原発と比べても300年から100万年も管理し続けないといけない
超危険な核廃棄物が発生します。
★使用済プルサーマル燃料MOXの再処理は危険すぎて全く目途が立っていない。
など。

「経済的には全く合わない」ということがはっきりしているのですが、
それでもやる理由というのは何だろう?

実は最近、閣僚からも発言され始めた「日本の核武装」の話に行き当たります。
私には、いろいろな事実を考え合わせてみて最も納得できると思いました。

日本の核武装化の計画は古く(1964年頃)、あの「ノーベル平和賞」を受賞した
元内閣総理大臣「佐藤栄作」氏に始まるとされています。
彼は日本の「非核三原則」の国会決議に功績があったということで、
ノーベル平和賞を受賞したのですが、
これが事実だとすれば彼はたいへんな狸親父ということになります。
表向きは原子力の平和利用と称し、「動燃」という組織を通じて
核開発が行われてきました。
目的は実際に核兵器を作るのではなくて、
いつでも「核兵器を作る能力を保持する」ということです。
1995年の高速原型炉「もんじゅ」の事故により
核開発計画は頓挫したかに見えましたが、
「動燃」は「核燃料サイクル開発機構」に名前を換え、
引き続き核開発が行われています。

この「もんじゅ」と言うのは何かと言うと、
劣化ウランを核分裂性のプルトニウムに転換するための装置です。

通常の原発の使用済み燃料から核燃料再処理工場で抽出した
低純度プルトニウム(核分裂性のPu239が58%、Pu241が11%で、
合わせても69%にしかならない=核兵器は作れない)
と天然ウランの混合燃料(MOX)を燃やし、
そこから出てくる高速中性子をその周りに配置した劣化ウラン(U238)
(劣化ウランも原発の使用済み燃料からの核燃料再処理工場での副産物。
これはMOXを取り巻いているのでブランケットと呼ばれます。)
に当て、それを核分裂性プルトニウム(Pu239 98%以上)に変える装置なのです。

この核分裂性プルトニウムを再処理し核弾頭にセットすると、
長崎に落とされたプルトニウム型原爆と言われる核兵器のできあがりです。
もちろんこの核分裂性プルトニウムを作る過程で熱が出るので、表向きは発電所です。
「もんじゅ」は高速増殖炉とも呼ばれますが、
これは本来ゴミである劣化ウラン(天然ウランの主成分U238)を核燃料になる核分裂性プルトニウム(Pu239)に増殖させる。

つまり発電した後の方が発電する前より核燃料が増えるのです。
これは省資源の観点から、平和利用としての開発の名目が立つわけです。
ところが「もんじゅ」の構造上、発電のための熱を取り出すのに
「金属ナトリウム」を使う必要があります。
これが漏れ、「水(コンクリートでも)」に触れると大爆発するのです。
1995年のナトリウム漏れ事故は大爆発寸前まで行って、
辛くも難を逃れましたが、現在運用は休止状態になっています。

「もんじゅ」は事故により頓挫していますが、
高速実験炉「常陽」がその代わりになりますし、
ブランケットを再処理する施設RETF(リサイクル機器試験施設)というのが
ほぼ完成で、すでに溜った過去の高速増殖炉の使用済み核燃料から
約40kg(一説では100kg以上)の核分裂性プルトニウム(Pu239 98%以上)
がいつでも生産可能ということです。
確かPu239 2kgで原爆1個分ですから、日本は原爆20個はいつでも持てるということです。
もちろん日本には国産ロケットもカーナビ技術もあるので、誘導核ミサイルはすぐに作れます。

ちなみに六ヶ所村で建設中の再処理工場というのは
低純度プルトニウムと天然ウランの混合燃料(MOX)を作る施設です。
「もんじゅ」の再開のための地元工作も始まっています。
日本は核開発をまだあきらめたわけではなくて、
第2ラウンドに入って続いています。

ここに出てくる低純度プルトニウムと天然ウランの混合燃料(MOX)を
通常の原子炉(軽水炉)で燃やすことをプルサーマルと言っているのです。

低純度プルトニウムと天然ウランの混合燃料(MOX)は
核兵器製造に不可欠ですが、MOXを燃料にする「もんじゅ」が頓挫した今、
MOXの製造・保持の名目がなくなったのです。
これ以上のMOXの製造・保持は核兵器の製造を疑われるので、
国内外の批判を回避するため、プルサーマルという
MOXの平和利用(?)を隠れ蓑としているわけです。

国がその不経済性、危険性を無視してごり押ししている理由は、

ずばり『核兵器の開発能力の保持』がその目的です。

原子力の平和利用など経済性を考えれば、ありえないのです。
こう考えれば全てがすっきり理解できませんか?

軍事目的なので、不経済性も危険性も承知の上なのです。
一般国民の生命・財産の安全など初めから知ったことではないのです。
一知事や一市長が国の方針に逆らうことができるでしょうか?

最近の日本の核保有に関する閣僚発言は、
もうそろそろプルサーマルを含む原発の不経済性が
隠せなくなって来ているので、本音で核武装のことを話し合おうよ。
というコンセンサス作りの一環とも受け取れます。
北朝鮮の核問題はとっても良い口実です。

また低レベル核廃棄物が一般の産業廃棄物と同様に処分可能になる法律
いつの間にか成立してしまいましたので、
○○町にできる産廃の最終処分場に核廃棄物を投棄できるようになりました。
『産廃ハイウェイ(?)』も開通しましたし、
当地の火力発電所は廃止になりましたし、
いつのまにか外堀がどんどん埋まってしまいました。
原発の電気にどっぷり首まで浸かった文明生活(?)をしているわけですが、
プルサーマルから逃れるすべがありますか?

それでも、プルサーマルは危険すぎるのです。

100万年以上も無害にならない超危険な廃棄物が出るようなものは、
それだけでだめなのです。
たとえ大金を投じて1000年(!)管理・保管したとしても、
100万年の尺度で見れば、それは今すぐ、自分の家の庭先に投棄したのと何も変わらないのです。

「日本の核武装とは?」の話はまたここで取り上げることが
あるかどうかは分かりませんが、一つだけ、、
先の大戦中に日本でも核兵器の開発が行われていたというウワサはあります。
「新型爆弾」と呼ばれていて、当時女学校の生徒だった私の母も知っているほど当たり前の話です。
そしてそのことを天皇陛下に申し上げたという話もあります。
その時陛下はなんとおっしゃったか、
「そのような恐ろしい兵器を使ってまで、この戦争に勝ちたいとは思わない。」
その一言で中止になったそうです。
その真偽の程は定かではないにしても、これが武士道を旨とする
正常な日本人の考えではないでしょうか。

 - ドクターのつれづれ。