歯科医院長mabo400のブログ

農業のラビット・リミット (2)

2017/02/26
 
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「もったいない学会」が始めた仕事の中に、E・P・R(Energy Profit Retio、出力エネルギー/入力エネルギー)を測るというのがある。
これが1以下なら、骨折り損のくたびれ儲け、まあ、やるだけ資源エネルギーの無駄使いなので止めた方がよい。
それどころか、生きて行けない、身の破滅だ、ということです。

このことを「ラビット・リミット」と言って、
ウサギを捕まえるためのエネルギーが、
捕まえたウサギのエネルギーより大きいなら、
いくらウサギがいたとしても、インディアンは生きていけない、ということです。
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今日は農業のEPRはどうなのよ?という話題です。
・・自分の庭やテラスで野菜などを栽培してみようか、と思い立ちやってみた方もいらっしゃると思います。
それなりに作物ができたり、できなかったり、いろいろだと思います。
僕の場合は、まあ、はっきり言って、厳しいね。。というのが正直な感想でした。

で、どのくらい厳しいか?ということですが、
やはり数値化しないと説得力がありませんね。

そこで、「もったいない学会」EPR部会の編になる「EPR評価方法と評価事例集」2009年度版に記載されているデータを元に
家庭菜園の「ラビット・リミット」を検証してみました。

茨城県にある150平米の畑を5/8~8/25の107日間の内、作業日数47日、延べ188時間で、
サツマイモ、とうもろこし、カボチャ、いんげん、その他野菜類24品種を栽培した結果、23915kcalの収穫があった。

23915kcal、これが出力エネルギー。

一方、入力エネルギーは、、
畑まで通うのに車を往復4km使った、291647.7kcal これが一番大きい、これだけで入力エネルギーの98%を占める。これをaとする。
トラクターを1日だけ使った、2465.8kcal、これをb、
くわ、鎌、スコップその他、4458.9kcal、これをc、

入力エネルギーをa+b+cとして、
EPRは23915/298572.4=0.08
趣味ならともかく、やるだけ無駄です。

では、トラクターはまだしも車を使わなければどうなるか?
入力エネルギーをb+cとして、
EPR=3.45

まあ、いけるかな。。と思われるでしょうが、
このケースの場合、入出力エネルギーが低すぎるので、
通常は省略される人間の労働によるエネルギーを計算に入れてみます。
人間1人1日2000kcalを消費していると仮定すると、

作業時間は延べ188時間ですので、
2000/24×188で、
この間の労働エネルギーは15667kcal、これをdとする。

入力エネルギーをc+b+dとすると、
EPR=23915/22591.7=1.06、
がんばってトラクターを使わずに耕したとしても、
入力エネルギーをc+dとして、
EPR=23915/20125.9=1.19、

ぎりぎりですね。。

でもよく考えると、生きている以上、人間は農作業している時以外でもエネルギーを消費しますよね?
で、作付けから収穫までの107日間の人間一人の消費エネルギーは
2000kcal×107日=214000kcal、これをeとする。

入力エネルギーをc+eとすると、
EPR=23915/218458.9=0.109、、しかない。。

これはどういうことかというとですね。
人間ひとり農業で生きてゆくためには、
ざっと、この10倍の広さの農地を10倍働いて(略1年中)維持しないといけないということです。
少しでも楽をしたければ、やはり単位面積当たりのカロリー収量が大きい芋類の栽培をメインに据えることでしょうか、
でも、日本人なら米を食べたいところですよね。。

江戸時代から戦前まで日本の農民の人口は80%以上だった、
耕すことのできる土地はどんなに狭い土地でも、あらゆる土地が耕されていた、というのは
ある意味当然だった、ということですね。

近い将来、またこうなります。

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